去年の11月、早稲田は全学で優勝した。
歓喜に沸くチームとは裏腹に、僕の心情は悔しさでいっぱいだった。
もちろん後輩が頑張っている姿や同期が活躍している姿、
大好きな先輩たちがトロフィーを掲げている姿を見て嬉しい気持ちもあった。
ただそれ以上に、試合に出られなかった悔しさが自分の中に満ちていた。
チャンピオンTシャツも内心嫌々着たのを今でも鮮明に覚えている。
さてここから本題に入る。
色々考えた結果、立場を踏まえて「理想のチーム」というテーマで書いていこうと思う。
シーズン当初から言ってるように、僕の理想とするチームは「全員で優勝を喜べるチーム」だ。
そのためにチームビルディング局で様々な取り組みをしてきた。
しかし、本当に「全員で優勝を喜べるチーム」なんてできるのだろうか?
部活に対して本気で向き合えば、出られなかった時に悔しいと思うのは当然なのではないか?
そんな疑問が自分の中にふと出てきた。
今思えば悔しかったのも本気で試合に出たかったから。
本気で日本一に貢献したかったから。
だからスタンドで見てるだけの自分に無力感を感じて悔しかった。
けれど、この経験は今になって良い経験だったと感じる。
この悔しさや「来年こそは日本一に貢献する」という覚悟のおかげで今の自分がある。
そう考えたら僕にとっての理想のチームは「全員で優勝を喜べるチーム」とは少し違うという結論に至った。
正確に言語化すると「優勝に対して全員が本気の感情を抱けるチーム」だ。
感情はなんだっていい。
嬉しい気持ちでも、悔しい気持ちでも。
これだけ部員がいるのだから色々な感情があるのは当たり前のこと。
ただ本気の感情を抱いて欲しい。
他人事にはなって欲しくない。
それが僕の理想のチームだ。
「本気の失敗には価値がある」
これは僕の大好きな漫画に出てきた言葉だ。
去年の僕は本気で取り組んでいた。
だからあの失敗にはとても大きな価値があった。
みんなは今部活に対して本気で取り組めているだろうか?
それはプレーのことでも、スタッフや局の仕事でもいいと思う。
結果や他人は関係ない。
まずは、自分の中の目標に対して本気で取り組もう。
その先に本気の感情があると思うから。
明日は早慶戦。
ボックスに入る人も、スタンドで応援する人も、設営をやる人も
部員全員がそれぞれの役割を「本気で」全うしよう。
そして大きな波で慶應を飲み込もう。
そうすれば理想のチームに一歩近づける。
MF #11 永井俊輔