今までずっと自分のためにラクロスをしてきた。
というか、ラクロスだけじゃなくて、サッカーも、受験も、留学も、就活も
自分のためだけを思ってやってきた。
だから、結果が出なかったら他の誰でもない自分のせいだし、
結果が出たら何よりも自分の頑張りのおかげだと思ってきた。
そんな自分は歴代の先輩方が巧より強たれに書いていたチームのためという気持ちや感謝の気持ちは
正直これまでピンときてなかった。
こんな性格からだからか、
練習の前後にする壁当ても、
同期がみんな帰った後に一人でトレ室でするウエイトも、
オフの日に何年も前の練習動画を漁ることも、
自分のためにやることは4年間大した苦ではなかった。
ただ、そんな自分はラクロスがずっと下手だった。
入部してすぐに凛に言われた。
「お前ほど練習すんのにこんなにお前ほど上手くならない奴は見たことがない」
こうして文字に起こしてみると、
出会って数ヶ月の奴にかなり残酷なことを言うなと思うとともに、
その発言はとっても的を得ている。
そんな訳で、一年の新人戦のサマー、ウィンター、あすなろと
ポジションを変えてもほとんど出場機会はなかった。
二年の時は、入部当初に森松さんから憧れてた留学の話を聞いて、
アメリカで上手くなってやると思って、夏に日本を出発した。
練習に参加したらびっくりした。
その年でコーチは変わり、上手かった人は抜け、チームの人数は半分くらいになってた。
何のためにアメリカに来たのかわからなかったし、ラクロスをなんでやるのかわからなくもなった。
それでも、毎日練習するしかなかった。
三年になって帰国しても、少し体がでかくなっただけで、全然ダメだった。
四年になって、チャンスが回ってきた。
今まで自分のためにしてきた努力を実らせたいと思ったし、必死にやった。
練習試合だったけど、試合にも出れるようになってきて、
これまで4年間の自分の頑張りのおかげだと思った。
でも、結局ダメだった。
夏の初めの頃には、自分のプレーが通用してないこともわかったし、
ミスをしては罵倒されるだけの毎日が本当に嫌だった。
自分は下手なりにここまでよくやってきたし、
何よりももう頑張りたくないし、
やり尽くしたし、
そんなことしても意味がないと思っていた。
明日からBかな、そんなことを思ってた。
そしたら、ポジション変更を告げられた。
初めは正直何を言っているのかわからなかったし、今更ショートなんてできる訳ないと思った。
ただ同時に、もう一度だけ頑張ろうとも思った。
こんなダメダメな自分に期待してくれる人がまだいると初めて知った。
そう思うと、今ここに自分があるのは決して自分の頑張ったおかげじゃなくて、
自分に期待してくれたり、支えてくれる人のおかげだと気がついた。
自分のお陰だと思ってたことが恥ずかしくなった。
でも、初めて誰かのために頑張ろうと思えた。
それからも、決して順風満帆じゃなかった。今だってダメなところだらけだ。
でも、たとえ結果を出せない日が続いても、
引退する日まで自分に期待してくれる人のために何度だってやってやろうと思う。
最後にこの場を借りて普段は言えないけど、感謝の気持ちを述べたい。
何も実績のなかった自分をAに抜擢してくれ、
どれだけ酷いパフォーマンスがあったとしてもチャンスをくれた
平塚や奥さんをはじめとするディフェンス陣、本当にありがとう。
自分には絶対に出来ない、選手のために人のために頑張れるスタッフの皆さん心から尊敬してます。本当にありがとう。
どっちが年上だがわからん絡み方してこない後輩、
いろんな話をした学外の友人、
もちろん同期も、本当にありがとう。
そして、
高校3年間大した結果を残すこともなく、
高校最後の年をベンチで過ごしたのにも関わらず、
二つ返事で新しいスポーツでの体育会での挑戦を後押ししてくれ、
4年間の大半の時間
トップチームで日の目の当たることのなかった自分を
毎日支え続けてきてくれた両親
本当にありがとう。
明日は学習戦。
感謝の気持ちを持って戦いピッチの上で恩返しします。
真
#42 片所樹哉