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2024

〜巧より強たれ〜『分岐点』赤平裕亮

『人生は選択の連続だ。』




昔からいろんな大人が言っているのを聞いてきた。

 自分も大人になるにつれ、それをひしひしと実感している。

人は皆、1 日に何十回、何百回と決断をし、「今」を作り上げている。 

受験など人生のレールを大きく動かすものもあれば、日常に溢れる小さなものまで。 

人生は選択に溢れている。




今の自分を作り上げた大きな分岐点。

この 4 年間でいうとそれは二つある。

 一つは早稲田ラクロス部に入部を決めたとき。 

そしてもう一つは 3 年生のリーグ戦での経験だ。



4 年間で何かに没頭したいという思いでなんとなくラクロス部に惹かれ体験に行った。 

そこで浅見さんとノブさんが優しく接してくれてかっこよく見えた。



ショットが速いと褒めてくれたことが嬉しかった。


これだと思い、入部を決めた。



1 年生。 

サマーが中止となり、⻑い棒に持ち替えた。 ウインターで主力として出場し優勝。



2 年生。

シーズン前半は試合出場こそないものの A チームに入れた。

 夏に B に行った後は試合に出続け、B リーグ優勝を果たす。




ここまで割と順調な道を歩んでいたと思う。




そして 3 年生。

A の主力として日本一になる思いを胸に臨んだ。 

大きな目標だった早慶戦に出場するも敗戦。




リーグ戦ではなんとか結果を残したいと練習に励む。




しかしこの頃から肘の怪我に悩まされた。

また、この時期思うようなプレーができず成⻑が止まっていた。

それに当時も気づいていたと思う。


でも、こんな時期もあると自分を誤魔化し続けた。


振り返ると自分の弱さに向き合っていなかったと痛感する。




そのまま開幕戦を迎え、勝利したものの自分はさして目立てず。

翌週から⻑いリハ生活がスタートした。

クロスは握れず、夏合宿は寺田とマラソン合宿になった。



完全に気持ちが落ちている中、練習に遅刻してしまい、C チームまで落ちた。


対して A は東大に劇的な勝利を収め、スタンドで見ていた感情はグチャグチャだった。



気持ちを入れ替えリハに励み、なんとか 4 戦目で復帰することができた。

しかし、もうそこに自分のポジションは無く、数分の出場だけ。




そして大一番の最終戦、勝ったらファイナル 4 の法政戦。

前日夜に発表されたボックスメンバーに自分の名前は無かった。




当日、自分は会場設営する一方で、メンバーは集合し、ミーティング、アップをこなす。

「主力として試合に出てチームが勝つ。」

シーズン当初に思い描いたものとはあまりにもかけ離れていた。

メンバーと自分にギャップを感じながら、ただただ姿を見ていた。



その一挙手一投足が痛くてたまらなかった。



その後全員での円陣。

メンバーと同じ輪にいるのに遠くに感じる。

この数ヶ月のことがフラッシュバックし、涙が出てきて試合開始直前まで止まらなかった。



試合に敗れ、肩を落とすみんなの姿を見て来年こそは自分がチームに貢献する。


そして、日本一になろうと決心した。





ラストシーズン。

過去の反省から常に自分に向き合うようにした。


例えば壁あて。

ただ同じ動きを繰り返すのではなく、いろんな投げ方や取り方をインスタで調べたり、自分 で考えたりしながらやるようになった。


そのおかげか今シーズンは結構得点にも絡めるようになった。



他には毎年夏場にはかなり体重が落ちていたが練習やトレーニングだけでなく、 食事にも気を使うようになって例年より運動量は多いが大きな変動なく体を保てている。


また、ポジションリーダーとしてチームの課題をどう改善するか考えることも責任があり、 非常に楽しい。

練習メニューを考えたり、戦術を考えたり。 

それがチームにいい影響を与えたときの達成感は最高だ。




今が一番ラクロスを楽しいと胸を張って言える。




そんな充実した今があるのもみんなのおかげ。



頼れるエース永岡、森田。 

日本の将来をコーラ片手に考え合う仲の鶴ちゃん。

 御意見番、⻑谷。

FO から 1 点を体現してきたせいご、鳥海。

 怪物、ナオヤ。


ハミっちゃう者同士のパス相手、カンタ。



ここには書ききれないけど一人一人が楽しくて個性的。

 ストイックで心から勝ちたいという思いが伝わって来て成⻑させてもらえる仲間。 



本当にありがとう。





そして切磋琢磨してきたロング陣。


今年一年クリアライドを一緒に作ってきた⻲田。

滝行で清い心を手に入れたぐっさん。

優しすぎるケンゾー。

プレー内外でチームの柱、のじ。

バーサーカーなかけん。

最高のキャプテン進士。


苦しい時期もあったけどそれを乗り越えてこその俺らです。

 夏合宿では課題と徹底的に向き合った。 

組織としても互いに補い合うバランスの取れたいいチームだ。 

もう後はベストを尽くすだけ。



一つでも多くボールを奪って、オフェンスに繋げよう。



そして日本一の DF になろう。








監督、コーチの方々へ

日頃からご指導ありがとうございます。 

今までも理解しているつもりでしたが、今年ポジションリーダーになって改めて、 そのサポートに愛を感じ、本当に頭が上がりません。

 必ず日本一という形で恩返しします。引き続きよろしくお願いいたします。




スタッフへ 

選手以上にモチベーションを保つのは難しいと思います。 自分は多分できない。 

それでも勝利のために支えてくれるスタッフ陣は本当にかっこいい。 

必ず日本一になってやってきて良かったと思わせます。

 いつも献身的なサポートありがとう。




両親へ

ほぼ毎試合来てくれています。

流石に関⻄遠征まで見に来たときは引いたけど笑 

小学校の野球から始まった俺の学生スポーツ人生も残りわずかです。

 社会人になった後ももちろんだけど、まずは学生のうちに最高の結果で恩返しします。







さあ、明日は明治戦。



間違いなく大一番。


齋藤組、山﨑組と 2 年連続で敗れている因縁の相手。


勝負を分けるのはごく僅かな一歩の差。


いつも半場さんが言っている OF に最後少しでもプレッシャー行けるかどうかとか。


試合中に何個もある勝負の分岐点で勝つための選択をしよう。








この 4 年間いろんなことがあった。





順風満帆だとは言い切れない。





回り道をしている気分でもある。








ただ、





綺麗な軌は描けなかったけれど終着点は日本一だと信じている。








田中組が最強のチームになる姿を想像して。









さあ、いこう!







LMF (#6)赤平裕亮

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