ラクロス部に入って初めて
自分の弱さに少しだけ向き合えたと思う
3年前
「日本一」という耳障りの良い言葉が
高校サッカーでの不完全燃焼感と
「自分なら何者かになれるはず」
という膨れ上がったプライドを刺激して
ラクロス部への入部を決意した
マイナースポーツだし正直「余裕っしょ」とか思っていた
けど現実は甘くなかった
なんか身体中のあちこちが痛いし
野口はめちゃくちゃデカいし
すぐりと雄大パスキャ上手いし
樫尾ショット左右打てるし
長谷や永岡はダッチキレキレだし
パスキャをミスって怒られることや
フィジカル不足で怪我をすることも多々あった
周りと比較して劣等感を感じて毎日逃げ出したかった
言い訳をして他責でなんとなくやっていれば
傷付かず心地よく過ごせる
なんてまた思っていた
１年生の秋、一橋大学での練習試合の後、
1秒も試合に出ずに片道1時間半の帰路に着いた時
仲間の「日本一」の輪に入っていない3年後の自分の姿が
妙にありありと想像できて
このままじゃ4年間棒に振る
他人と比較して劣等感を覚えて逃げ道を探した高校サッカーと同じ道を辿ると思った
そんな微かに見える将来の自分の姿から
何とか遠ざかりたかった
だから運動のブランクあって
投げるの下手で
身体が細くて
スペ体質だとかいう言い訳は
少しの間なしにして
弱い自分に１日でも負けまいと
出来ることを１つずつ小さく積み重ねてみた
昨日の自分より少しだけ成長出来ていると思えるように
他大学の練習に参加させてもらったり
他大の代表に選ばれるような選手にインスタのDMで質問したり
上手い人がやってるラクロス講習会参加したり
Aチームの6on6も見てメモったり
壁当てで上手い奴に話しかけに行って直接教えてもらったり
筋トレして食べまくってオフシーズンに5kg以上増量したりした
闇雲だったけど、手探りだったけど
新鮮で最高に楽しかった
そうやって徐々に結果が出るとみんなに褒められて
試合に出れるようになって
結果が伴っているとモチベーションも上がりやすくて
相乗的にラクロスも楽しくなった
これでもう弱い自分とはおさらばだと慢心した
楽しみながら「日本一」が目指せるなんて一石二鳥だと思った
だがもちろん、そんなに上手くはいかない
一度実力が伸び悩むと
怪我を死ぬほど繰り返して精神的に塞ぎ込むと
自分のミスで試合に負けると
「今日は休んでいいんじゃない？」
「明日朝早いから早く寝ようよ」
「もうやっても無駄なんじゃない？」
とまた元の弱い自分が現れる
弱い自分は
ぬるま湯で居心地のいいように思える選択肢を
自分に与えてきて
それに飲み込まれてしまいそうな夜も幾度も過ごした
特に今年に入ってからは繰り返す怪我とそれに対する苛立ちと不甲斐なさで
弱い自分が幾度も現れた
けど
その度に周りの仲間に何度も助けられた
下級生からチームの顔として闘い続ける戦士
心に炎を宿し毎日東伏見でショット練する者
筋トレオタクで脚が馬みたいになってるお前
ラクロス以外時間の過ごし方がわからない奴
日本一を目指してひたむきに努力する仲間達が
こんな弱い自分を吹き飛ばしてくれる
こいつらの為に妥協出来ないと思わせてくれる
１回布団に入ったのに壁当てに向かわせてくれる
お前のためにもう1rep 挙げようと思える
転んでもまた立ち上がらせてくれる
ありきたりな言葉だけど
本当にありがとう
お前らと「日本一」の景色が見たい
喜びを分かち合いたい
今はそんな想いが自分を突き動かす
「日本一」が今までの数々の失敗や挫折、痛みをも
全て必要だった「過程」へと昇華してくれる
そう信じて
そして忘れてはいけないのが
ポジションリーダーとして全く役不足の自分と常に真正面から全力で向き合ってくれるコーチ陣
常に最高の環境を整えてくれたマネージャー
的確なスカウティングをくれるAS
怪我続きで泣き言を吐いても、毎日テーピングを巻いてくれたトレーナー
こんなに充実した日々を過ごすのに不可欠なサポートをしてくれた人達の想いも背負ってる
明日は予選最終戦
去年法政に敗れて早稲田が散った舞台
明日も苦しい時こそ、辛い時こそ周りを見渡せば
You’ll Never Walk Alone
1人じゃない
毎日切磋琢磨してきた仲間がいる
スタンドから声援を送ってくれる仲間がついてる
俺たちのこの1年間、
いや4年間に間違いなんか絶対にない
あとはそれを結果で証明しよう
再び立ちあがろう
闘おう
軌
DF #91 亀田祐真
