思い返すとゴーリーというポジションは本当に嫌いだったし、向いてないと思っていた。
ボール当たるし、痛いし、反射神経悪いし、ボール早すぎて見えないし、クロスかっこ悪いし。
体がでかいだけしか取り柄のないダメダメゴーリーだった。
けれど、去年は1年間Aチームでプレーさせてもらい、どんすけさんという偉大なゴーリーのそばで多くのことを教わり、幸運にもほとんどの試合に出させてもらうことができた。
色々な経験をさせてもらいゴーリーというポジションも徐々に好きになってきて、来年は自分がチームを引っ張っていく番だと思えるようになっていた。
最近になってよく、「ゴーリーは1人しかコートにたてないから覚悟してゴーリーになった方がいい」という言葉を思い出す。
これは1年生の時、学生コーチの岡部翔さんに言われたことだが、当時はまさか自分が試合に出られないなんて想像もできなかったし、実力で勝ちとれるっていう何の根拠もない自信もあった。
今シーズン怪我が重なり、Aチームに復帰しても新町さんにはかなわず、試合に出た数は5試合程度。
公式戦は前回の一橋戦が初めてだった。
それも4Qからで、6点もリードしている状況だったのに、緊張しすぎてはきそうだったし、体も思うようにうごかなかった。
4年になって後輩を引っ張るどころか、フィールド上で一番役立たず。
本当に情けない。
だけど幸運なことにまだ3ヶ月残されている。
何としてもプレーで日本1に貢献してやる。
巧より強たれを書くためにいろいろなことを思い出してきたけど、辛いことも多かった。冬にボールが当たると死ぬほど痛いし、2年の時遅刻して死ぬほど怒られて不眠症になるし、合宿費を未納してAチームからCチームに降格したし、最後の早慶戦に出られなかった。
辛いことも多かったけど、ここまで楽しくラクロスを続けてこられたのは、本当に周りの人に恵まれたからだ。
いつも応援してくれている家族、友達。
大好きな先輩方。頼りになる後輩たち。
そして心から信頼できる最高の同期。
本当に感謝しかでてこない。
サマー、ウインター、あすなろ、早慶戦、人生で最高の瞬間だった。
もうあれ以上うれしいことを経験するには日本1になるしかない。
みんなで日本1になろう。
#99 奥田凌平
「不屈」