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2026

〜巧より強たれ〜 『勝負強さ』 内田 玲央

まず初めに、日頃より多大なるご支援と温かいご声援をいただき、男子ラクロス部を支えてくださっている保護者の皆様、OB・OGの皆様、そして部長・監督をはじめとする関係者の皆様に、心より感謝申し上げます。


また、4年間どんな時も一番近くで支えてくれた家族、そして苦楽を共にしてきた同期のみんなには、感謝してもしきれません。


本当にありがとうございます。





「1枚目は降りた方がいい。」


今年6月、明学との練習試合後に幹部ミーティングで皆を前にして告げられた言葉。


当時、3試合連続で得点がなかった自分は、その言葉を「お前には得点力が足りない」という意味だと受け取った。


そして、この言葉を受けてから1週間ほどで怪我をした。ラクロス人生における初の長期離脱だった。

 

悔しかった。


自分が1枚目として認められるためには、何が必要なのか。どうすれば、チームに必要とされる存在になれるのか。


当時の自分が出した答えは、至って単純だった。


「自分が点を取ること。」


誰よりも点を取る。得点という目に見える結果で、自分の存在価値を証明する。


その一心だった。


だから、怪我でプレーできない3か月間、自分にできることをやってきた。


どうすれば点を取れるのか。どうすれば得点の幅を広げられるのか。自分なりに考え、いろいろ試した。

 

怪我を言い訳にするつもりはなかったし、復帰したときには必ず結果を残したかった。


そして迎えた復帰戦、中央戦。


久しぶりに立つフィールドで、頭にあったのはやはり「自分が点を取ること」だった。


自分が帰ってきた意味を示したい。自分がこのチームに必要な存在であることを証明したい。


そんな思いで、がむしゃらにゴールを目指した。


結果、チームの先制点を取ることができた。


嬉しかった。


少しはチームに貢献できた気がした。


そして何より、これまで自分が追い求めてきたものは間違っていなかったのだと思った。


しかし、今振り返れば、この成功体験こそが、自分の戦い方を見失うきっかけだったのかもしれない。


それからというもの、以前にも増して「自分が点を取ること」に執着するようになった。


迎えた次戦、慶應戦。


何としても点を取りたい。その思いが先行するあまり、自分にできないことまでやろうとした。


普段なら選ばないようなプレーを選び、冷静さを欠いた判断を繰り返した。


結果、2つのボールダウン。


そして次の明治戦。


今度は取り返そうとした。前の試合でのミスを、自分の得点で返済しようと必死になった。


確率の高い選択肢があっても、頼れる仲間がいても、自分のもとにボールが来れば、まず自分が点を取ることを考えた。


練習ならパスを出していたはずの場面でも、自分で勝負しようと、実力以上にボールを持った。


結果は、またしても2つのボールダウン。


何も変わっていなかった。


実力以前に、全くもって戦えていなかった。


点を取るために増やしてきたバリエーションも、日々の練習で磨いてきた自分の強みも、戦い方を間違えたことで、何一つ生かせなかった。


それどころか、チームの得点機会すら奪っていた。


仲間にボールを預けていれば、点が入っていた場面もあったと思う。


自分よりも確率の高い選択肢があったと思う。


それなのに、自分の得点に固執した。


全部、わがままだった。


チームを代表してグラウンドに立っている立場として、あまりにも無責任で、情けなかった。


明治戦からの3週間は改めて自分自身と向き合う時間だった。


自分に足りないのが、ただ点を取る能力だけではなかったこともわかった。


これまでの戦い方の何が間違っていたのか。


そして、日体戦ではどう戦うべきなのか。


1枚目に求められるものは何なのか。


自分に必要なものは何か。


自分なりに辿り着いた答えは、


「勝負強さ」だ。


自分の考える勝負強さとは、チームの勝利に貪欲になって、どんな状況でも、チームが勝つために最も確率の高い選択をし、それを一番謙虚に体現する力だ。


もちろん、自分が勝負するべき場面で、しっかり決めきる力もそこには含まれる。


だから、得点力を磨くために努力することは、これからも変わらない。


その上で、仲間に託すべき場面では、迷わず託す。


どうすればチームが点を取れるか、常に判断し続ける。


自分の力を正しく理解し、仲間の力を信じ、チームにとって最善の選択をし続けること。


それが、自分なりに考える「強たれ」ということなのかもしれない。


そして、これは決して1枚目だけに求められるものではない。


フィールドに立つ全員が勝負強くあるべきだし、勝負強い選手こそがグラウンドに立つべきだと思う。


正直、今の自分には、その勝負強さが足りていない。


だから、先日のチーム編成で序列が下がったことも、いつもだったら納得できなかったところ、今回は不思議と素直に受け止めることができた。


この4年間、誰にも負けないつもりで努力してきた。


それでも、その積み重ねを試合という場で最大限に発揮できたことは、数多くない。


慶應戦も明治戦も、まさにそうだった。


「巧より強たれ」


これまで散々耳にしてきた言葉だったのに、自分はその本当の意味を理解できていなかった。


技術を磨くことばかりに目を向け、その技術を勝負どころで発揮するための強さが足りていなかった。


ただ、ここで終わるつもりはない。


幸いなことに、チームの目標である全日優勝まで、まだ3か月ある。


この3か月で、誰よりも勝負強さを磨いて成長する。


どんな状況でもチームの勝利のために1番貪欲になって、1番謙虚にプレーできる選手になる。


その第一歩として、日体戦がある。


では、勝負強さを磨くために、自分は何をすべきなのか。


一つは、自分にできることに全集中すること。


まさに「今・ここ・自分」。


字面だけは理解したつもりでいたが、全くもって認識が甘かったと思う。


日体戦は、これまで以上に徹する。コントロールできないことは考えずに、今できることだけに集中する。


怖いくらいに全てがうまくいっているとき。


決定機を外してしまったとき。


相手が想定外の動きをしてきたとき。


どんな状況でも、やるべきことは変わらない。


チームにとって最善の結果を生み出すために、まずは自分の最善を尽くす。


そしてもう一つ。できることの幅を増やすために、最大限の準備と努力を重ねて臨むこと。


言ってしまえば、この幅が自分の能力の天井となるわけで、残酷なことに、天井が低ければ、いくらそれを最大化したところで試合で通用しないのも事実だ。


だから日々準備と努力をする。そこに限界は設けない。


技術を磨けば、自分で勝負できる場面が増える。


仲間の強みを理解すれば、より確率の高い選択をすることができる。


相手の特徴を知れば、起こり得る状況を予測し、適切に対応できる。


もちろん他にもいろいろあると思う。


練習も、ミーティングも、スカウティングも、試合で最善の選択をするために必要な準備と努力は全て、自分たちが一番やってきた。


明治戦後の3週間は特に、もっと言えば、この4年間、ずっとそのために努力してきた。


あとは、明日、それを最大限に体現するだけ。


だから明日は、これまで積み重ねてきたものを信じる。


背伸びはしない。徹する。


ただ、チームが勝つために、今の自分にできることを目一杯に。


勝ちに貪欲に、プレーは謙虚に。


全員が、自分にできることを全うする。


全員で、戦って、勝ちにいく。


いざ強たれ。


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OMF   #13  内田玲央

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