「巧より強たれ」を読むのが好きだ。
共に闘った仲間の葛藤、苦悩、熱さや想い、
文章中から溢れてくるその人らしさなどが伝わってきて
何回読んでも心が動かされる。
いざ自分の番になると、
書きたいことが多過ぎるし、言葉にするのが難しい。
相変わらず長くなるけれど、誰かの心に届くと嬉しい。
「日々の何気ない選択や考えが君たちを形作る。」
2年前、尊敬する先輩が残した言葉だ。
つまり、自分の選択一つでチームの命運が決まってしまう。
そんな今まで経験したことのない大きなプレッシャーを感じながらも、
覚悟を抱き、副将として141人を引っ張っていくことを決心した。
振り返ってみれば、
「六大戦優勝」「早慶戦勝利」「関東優勝」という実績を得ることができた。
新人戦もBリーグも優勝してくれた。
結果こそ華々しく見えるが、
そこまでの道のりは果てしなく険しいものであった。
順風満帆なんて言葉とは程遠く、
練習試合では負けまくり、仲間とは衝突の日々。
雰囲気が良くなったかと思えばすぐに悪くなったり、
スローガンの通り波の大きいチームだった。
だが、そんな俺たちはどのチームよりも行ったことがある。
それは「向き合う」ことだ。
ラクロスに、早稲田に、勝負に、仲間に、自分自身に、
全てに対してここまで真剣に向き合うことができたチームは今までなかっただろう。
向き合い続け、未熟さを受け入れ、努力を続けたからこそ今がある。
巧より強たれ
このチームにぴったりな言葉じゃないか。
巧く立ち回ることはできなかった。
ただガムシャラにみっともなく、もがくことしかできなかった。
めちゃくちゃしんどくても仲間と涙を流しながら死ぬ気で向き合い続けた。
そんな俺たちは今、間違いなく強くなっている。
偉そうなことを言ったが、多くの方々の協力がなければここまで来ることはできませんでした。
早稲田ラクロス部に関わってくれた全ての人に感謝しています。
後輩たちには自分の気づき伝えたい。
勝負の世界に生きることを選択したのなら、そこで得られるもの全てを大事にしてほしい。
今後、辛いことや苦しいことが多くあると思う。
それを乗り越えた先の結果ばかりに目が行きがちだが、
そんな苦しい想いでさえ、俺たちにしか得ることのできないかけがえのない宝物だということを忘れてはならない。
全てと真剣に向き合い、「今」を生きろ。
過去も未来も存在しない。あるのは「今」だけだ。
先輩方へ
逞しい背中から、多くを学ばせていただきました。
みなさんが築いた覇者早稲田としての矜持を抱き、
精一杯戦ってきます。
コーチの方々へ
不甲斐ない自分たちにいつも進む道を照らしてくれてありがとうございます。
特にモナさん。こんな自分に真摯に向き合ってくれて感謝してもしきれません。
残り少ないですが、まだまだよろしくお願いします。
同期へ
この一年間、最上級生としてチームを引っ張ろうと奮闘するみんなの姿はとても輝いていました。
辛い時、みんなのことを見て何度元気づけられたかわかりません。
このまま最後まで走り抜けて、
小さい主将をみんなで胴上げしてやろうぜ。
そして、どんな時も支えてくれた家族へ
みんなのおかげでとても素敵な大学生活を過ごすことができました。
言葉にするのは恥ずかしいので文字で勘弁してね。
本当にいつもありがとう。
1日、1日と引退は近づいてきている。
このチームで活動できるのもあと数日だと思うと寂しくてたまらない。
残りの期間、俺にできることといえば、
あの日託された『想い』を胸に、
プレーできていることに最大限の感謝をしながら、
今ここ自分を生きるだけだ。
そして12月15日
史上初となる全チーム優勝を果たし、
かけがえのない仲間と大きな波を作り上げた俺たちは
いったいどんな景色を見ることができるのだろうか。
WAVE
DF (#91) 青木秀斗
