「来年の早慶戦、絶対お前が出るんだぞ」
去年の納会後、玉井さんが泣きながら言ってくれた言葉だ
先輩が自分のために泣いてくれるなんて初めての経験だった
お酒の勢いがあってのことだったかもしれないけど
自分のことをここまで思ってくれてるのかと
先輩の言葉に胸が打たれた
この言葉を胸に、俺は後藤組での活動に臨んだ
新体制が始まって、運良くAにいれるチャンスをもらえた
自分がAでいる意味は何なのか
自分がどんな形でチームに貢献すればいいのかはすぐに理解した
調子がいいみんなをぶちあげる声出し 下がってるみんなを鼓舞する声出し
あとはたまに荒れる誰かさんの精神安定剤として 自分はプレー以上にそういう場面で必要とされていた 全力でやった
これで勝てるならと、嫌な思いは一つもしていなかった
5月20日
数分、数秒だったけど
早慶戦の舞台に立つことができて
勝つこともできて
玉井さんも泣いて喜んでくれて
本当に嬉しかった
まるで今もAであるかのように書いてきたが今俺はBチーム
悔しさはもちろんあるけど、今は充実感の方が強い
Bでは自分の役割が変わった
後輩たちの指導、MFのまとめ
役割は180度変わったといってもいい
どんどん上手くなっていく後輩たちの姿を見れること
上手くなった後輩がAに吸収されること
嬉しくもあり寂しくもあるこの経験は、下のチームの上級生しか経験できない
今は少しくらい玉井さんの気持ちも理解できているつもりだ
間違いなく言えるのはBのみんなと一緒にラクロスすることが本当に楽しいということ
だから勝ちたい
上手くもないA落ちの俺を受け入れてくれたBで日本一を獲りたい
ボブを勝たせたい
本気でそう思う
同期へ
全員頭おかしいし、ネジぶっ飛んでるけど
この代で入部出来て良かった。 色々あってみんなの前で泣きすぎたから、日本一になるまで次の涙は取っておきます。
常になめやがる後輩へ
来年の早慶戦で、全日で
みんなが活躍することを楽しみにしてます。
いやいやお前がAなのかよって笑えるくらいのサプライズ、期待してるよ
明日は獨協戦
普段俺たちは日本一になるチーム相手に練習してる。
あいつらより強いチームなんて存在しないから 自信もってプレーしよう。
圧倒で。
攻
MF #20 井上翼