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2018

~巧より強たれ~『自分の早慶戦』岸陸人

 

ラクロス部に入部したのは、早慶戦に憧れたから。





PVの中の「闘ってみないか、早稲田の名を賭して」





という言葉にものすごく惹かれた。

 




早慶戦は、





点が決まった瞬間の地響きのような歓声とか、





応援とか、観に来る人の数とか、





他の試合とは段違いで、





早慶戦で点を決める人がかっこよくて、





それを目標にしていた。

 





でも2年3年と怪我を繰り返し、





3年なのにCの試合ですら出ることはできなかった。





育成決勝はおろか、練習試合も両手に収まるくらいしか出てない。

 





そんな自分が、4年の春に





初めてAチームに入ることができた。





六大戦で初めて80を背負って試合に出た。





相手は次の相手の立教だった。





「早稲田としてどんな試合も負けてはならない」





もなさんのその言葉で、





責任感、使命、重圧をものすごく感じた。





今までの人生で感じたことのないもので、





かなり緊張したけど、楽しむことができた。

 





C出身でもやれるぞと下克上に燃えている頃に足を骨折した。





手術もして、早くても全治3ヶ月。





復帰をしても今までのプレーはできなくなると言われた。

 





人生で一番泣いた。





診察の時に泣きすぎて、別室に運ばれたくらいだ笑





入院中も毎日ひたすら泣いた。

 





「戻ってこいよ」とか「諦めるなよ」って





言われたのが、最初は本当に苦しかった。





その言葉で余計に現実を突きつけられた。





ラクロスなんか見たくも聞きたくもなかった。

 





でも、最初は嫌だったその言葉に本当に救われた。





家族、同期や後輩、他の部の友達、





なんなら他大のやつにまで救われた。





スタッフ転向も考えてたけど





そいつらと一緒にラクロスをするために





選手として頑張ることにした。

 





だから、コーチになった太田と小柳は本当にすごい。





俺は怪我をしても決断できなかったのに





チームのために、とコーチになった2人を見ると、





今もなお、自分を奮い立たせてくれる。





2人と1年生のサポートをできる限りしたい。

 





そして早慶戦の時、





お前の思いを背負って出ると高野が言ってくれた。





しかも点まで決めてくれた。





俺の夢を叶えてくれた。





その瞬間と試合に勝った時は涙が止まらなかった。





お前には何回も救われてるよ。





本当にありがとう。

 





仲間に恵まれたな、とつくづく思う。





日本一を本気で目指す熱い仲間。





どん底から俺を助けてくれた。





これ以上の存在に、これから先出会えることってないだろう。

 





8月ごろに復帰したけど、





足も遅くなった。





ダッジもキレなくなった。





スタミナもびっくりするほどなくなった。





色んな怪我も併発している。





苦しいことの方が山ほどあるけど、





昔のように、ラクロスって楽しいなって思える。

 





怪我もたくさんしてきたし、





挫折や苦しいことの方が多いけど、





そんな自分にしか経験できない一味違ったラクロス人生を





残り少ないが楽しんでいきたい。

 





Cのみんなへ





育成の決勝は、慶應やな。





規模とかは全然違うけど、





俺にとって最後の早慶戦。





そこで点を取って、チームを勝たせる。





もし点を取ったら、早慶戦並みのでっかい歓声をください。





絶対勝とうな。

 





そして、今のCから一人でも多く





来年の早慶戦に出ることを願っています。





あ、あと





高楠和志(岸陸人)





これは絶対に欲しいな。





もうキャッチミスはごめんやで。





最後までピッタピタにテーピング巻いてくれな。





いいヘッド編めんくてすまんな笑

 





そして、明日のリーグ戦は立教。





初めてラクロスで点を取った相手。





初めて早稲田の重圧を背負った相手だ。





絶対勝とう。

 





早稲田ラクロスに入ってよかった。

 





育成も優勝して、





ABも日本一にもなって、





ウィンターも優勝して、





涙を流しながら紺碧を歌って、





もう一度、心の底からそう思いたい。



 



MF(#80)岸 陸人


WRITER:岸陸人
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