「お前が体育会に入るとは思わなかった」
「いつやめるか楽しみだな」
入部した時に高校の友達にこんなことを言われた。
高校の時はいつも遊んでふざけてばかりの毎日でラクロス部に入るとは誰も予想してなかった。
もちろん自分もである。
大学入ったらサークルに入って、毎日なにも考えずに遊んでるのを考えていた。
しかし、色んなサークルの新歓に行ったものの、何か足りなかった。
最初は「何か本気でやりたい」という気持ちでラクロス部に興味を持った。
そこからオレは今もラクロスを続けている。
今は後悔しない選択をしたと思っている。
もう一度1年生になっても、またラクロス部を選びたい。
でも、やめたいと思ったことなんて死ぬほどあった。
サマーはαで活躍していたのに、ウインターのタイミングでβに落ちた。
去年の初めはCにも落ちた。
大観衆が集まる早慶戦という大舞台に出れなかった。
これら以外にもたくさん嫌なことはあった。
SNSとか見てると楽しそうなことをしてる友達もいるし、そういう生活も良いなって思ったりもした。
オフのことを考えずに遊んでるのもいいなって思ったりもした。
それでも毎日つらいことを一緒に乗り越えてきた同期と別れるのが嫌だった。
だからやめられなかった。
仲間がいたからここまでやってこれたのだと思う。
自分が後悔ない選択をしたと言うためには、まずAチームにあがる必要があると思った。
Cにいて文句ばっかり言っていたオレは後で後悔すると思った。
日本一を目指すとかじゃなくて、まずは早稲田を背負って試合に出たかった。
「日本一を目指すためにまずAを目指すんじゃないのか?」と言われそうだが、Cにいたオレはそんなことを思う余裕はなかった。
自分のために頑張れた。
そして今オレはAにいる。
毎日ミスして、バカにされたり、怒られてばかりでチームにも迷惑はたくさんかけている。
本当にAかと思わせてしまうこともあると思う。
それでも自分がグラウンドに立って、日本一を経験したい。
目立つプレーはできないかもしれないが、出た時にオレは自分なりの役割を果たす。
正直、今は180人も部員がいてAチームで試合に出れるのは26人で側から見たら狭き門。
オレみたいに遊びたい気持ちもあるけど、ただ仲間がいるからやめられないやつらが100人くらいいると思ってた。ただなんとなく所属してるだけのやつが多いと思ってた。
でも違った。
今年になって色んなアツい想いを感じる。
プレーヤーをやめて、新人コーチやスタッフになったやつら。
日本一に貢献したいやつらがたくさんいた。
日本一の1年生を育てるため、日本一のチームをつくるため。
正直プレーヤーをやめるのはつらい決断だったと思う。
まだラクロスをプレーしたかったはず。
それでも、組織のために貢献しようとしてくれていた。
オレにはそんな決断できない。
でも実際にあいつらを見てると、その決断は後悔してなさそうだ。
マネージャーもそう、
プレーヤーのためにオレらの見えないところで頑張ってくれている。
プレーヤーよりつらいことだらけだと思う。
でも、後悔はしてなさそう。
トレーナーも、
プレーヤーのために色んなメニューを考えてくれている。
プレーヤーに文句ばかり言われて大変だと思う。
でも、後悔はしてなさそう。
このチームの勝利のために色んな人がチームに貢献してくれている。
だからこそ、オレ達プレーヤーは自分達はもちろんのこと、4年間という大学生活の中で後悔のない選択だったと部員みんなに言わせなければいけない。
つらいことばかりだったけど、ラクロス部に入って良かったと言わせることができるように。
そのための1つとして、早慶戦に勝つことは絶対条件だと思う。
勝てればなんでもいい。
どんな汚い1点でも、見ていて気持ちがいいようなきれいな1点でも1点は1点。
泥臭くても1点差とかでもなんでもいいから、勝とう。
応援も聞こえてるのと聞こえていないのでは全然違う。
ベンチ外の人達は応援することになると思う。
つまらないかもしれないけど、そこは力を貸して欲しい。
そしてその悔しい想いを今後のプレーで体現しよう。
去年の早慶戦で応援した経験もオレは悔しさとして残って、頑張れるきっかけになった。
最強世代。
そんなことを言われて、期待されていたオレ達。
しかし、あすなろ予選敗退によって、そんなことは言われなくなった。
4年になった今、また秋山組は最強世代って言わせてやろう。
早稲田は変わったと言わせることができるように。
オレらに関わり、応援してきてくれた人達に後悔させないために。
何よりオレ達がラクロスやってきて良かったって胸はって言えるように。
まずは早慶戦。
オレらは今年がラスト、後悔してからじゃ遅い。
7000人に見せてやろう
オレ達のラクロスを。
change
#11 野呂太郎