Aの関東リーグ初戦が忘れられない。
Bが優勝を逃した瞬間が忘れられない。
あんなに頑張っていたのに負けるのかと思った。
延々とmtgをやって練習も毎回強度高くやって、どうすれば勝てるかしか考えていないチームが負けた。
あんなにラクロスに真剣に向き合っていたのに。4年間をラクロスに捧げていた同期が泣き崩れていた。
Aチームが負けた瞬間を配信で見ていて、そのあと東伏見に向かったが現実だと認識出来なかった。
まだまだ続く気がしていた。
夜、しんたと歩いて話したけど全然実感が湧かなかった。それくらいに勝てると考えていたし、負けると思っていなかった。
富田率いるBはリーグ戦で毎回圧勝していた。一年チームは負けが続いていていたから心強かった。自分たちも頑張らないといけないと思えた。富田が色々苦労してる姿を見てたから。
関東決勝もいい試合をして勝っていて、すごいかっこよかった。最後もいい試合をして勝ってくれると思っていた。荻とか杉とかが出てたし、応援にも熱がこもった。
それでもタイトルを取れなかった。未だに穣に泣きながら謝られたことを忘れられない。夜練とかめっちゃ行っていたやつが自分の実力不足を謝ってきた。どうすればいいか分からなかった。
その時から平野組がタイトルを取れる最後のチャンスがウィンターになった。
試合が終わって、大輔とか周りから色々言われたと思うけど思い出せない。目の前が真っ暗だった。一年生はとてもいい状況とは言えないし、嶋田さんからも厳しいお言葉をいただいた。これから一年チームをどうすればいいか分かんなくなってきた。
当時、一年チームは勝ち切れなくてかなり焦っていた。点が取れなくて、真斗が率いるOF陣を詰めたこともある。DF陣には一点でも取られたら負けと考えるように言っていた。優勝できる自信なんてカケラもなかった。
勝てたら奇跡だと思ってた。
何をすれば分からなくて、真斗とアホみたいに話し合った。どうすれば一年生は勝てるのか。他の4年にも話を聞いた。DFはどうすればいいか、CLはどうすればいいか。OFはどうしたらいいか。
試行錯誤の連続だった。かなりの数の失敗をした。上手くいったのなんてほんのひと握りだ。途中で方針を変えたことも何回とある。毎回一年生を振り回してしまい申し訳なかった。
色々とやって、学年合宿くらいからチームが軌道に乗り出した。徐々に点が取れ始めてきた。徐々にチームが同じ方向を見始めてきた。歯車が少しずつ噛み合う感じがした。
今、一年チームはいい流れに乗っている。しっかりとウィンター優勝に向けて動けている。選手たちが自分たちで勝つためには何をすればいいかを考えている。結果も出し始めている。
運がいいと思った。
自分一人で色々やろうとしても無理だったと思う。周りに助けられた。自分一人だったら試行錯誤さえも出来ずに潰れていた。俺は最高に運がいい。
小菅さんがいてくれて良かった。
おそらく俺と真斗だけだったら何から始めればいいか分からなかったし、部員も集められなかったと思う。一年生が例年どんなふうに成長するのか知っている人がいて本当に助かった。社会人で時間のない中いろんなところに顔を出してくれて、助言をくれた。本当に頼りになった。
小菅さん、いつもありがとうございます。一年の頃からお世話になりっぱなしです。最後までよろしくお願いします。
いい一年生が入ってくれて良かった。
色々癖のあるやつが多いけど、それでもラクロスの楽しみを感じてくれて良かった。「ラクロスむずすぎる」とか言っても「楽しい」と言ってくれて嬉しかった。自分たちが伝えたいことは伝わっているんだなと感じられた。
DF陣が良いメンバーで良かった。
いつも考えていたのは「自分がいなくても機能するDFユニットを作ろう」ってことだった。自分たちで考えられるユニットになって欲しかったからいつも「自分たちでやりな」っていつも無茶振りしてた。最初こそは全然意見とか出なかったり考えてなかったけど徐々に考え出すようになってくれた。
野口、しんじを中心に振り返りでもどんどんどうすれば良いか話し合ってくれた。最近では俺が何か言わなくても自分たちで工夫してやり始めるようになっている。各自がいい強みを持っていて優秀なやつが集まってくれた。もう引退まで少ししかないけど安心して消えることが出来る。覚えていてほしい。みんな間違いなく優秀だってことを。
いい同期に恵まれて良かった。
間違いなく最高の同期に恵まれた。リーグ戦に負けたら、引退して遊んでしまう4年が他大ではいるのに練習に来てくれた。一年生なんて朝早くてグランドが遠いのにも関わらず来てくれた。もしみんなが来てくれてなかったら間違いなく1年生をまとめきれてなかった。今から入ってきてくれている新入生も対応できなかった。みんながいなかったら一年生に伝えられることはほんとに少なかった。ほんとに愛情を持ってみてくれている。最近では番号を一年にあげようかって言っている奴もいる。ここまで熱量を持ってみてくれるとは思ってなかった。ありがとう。
真斗と学生コーチを組めて良かった。
真斗と話せて本気で学生コーチをやろうと思えた。遠慮することなく意見をぶつけようと思った。いいと思ったら喧嘩してでも貫こうと思えた。嫌われてもやり切ろうと思った。実際、何回も意見をぶつけた。そもそも考え方がいつも逆で性格も逆で、ほんとに合うところがほとんどない。結構、対立することが多かったと思う。それでもやってこれたのは一緒の目的を持って同じ熱量を持って向き合えてたからだ。オフであっても話題になるのは一年生のことだし、これからどうしようかって話になってしまう。ラクロスのことになると真斗はすぐ泣いてしまう。そんぐらい熱量を持っている真斗に感化されてここまでやってこれた。
他の大学の学生コーチがどんなやつか知らないけど、間違いなく一番コミットしているのは俺らだって確信がある。休みなく向き合ってきた。選手一人一人と向き合ってきた。アホかってぐらい話し合った。他の学生コーチに負けるわけがない。
今、人生で一番濃い時間を過ごしている。間違いなく自分の人生でも大きなポイントになると思う。その時期に学生コーチを一緒に組めたのが真斗で良かったと心から思っている。
最後の最後まで一緒に走り切ろうや、相方。
今年の1年チームは最高に運がいい。
4年生全員が勝つためにはどうすればいいか考えてくれている。毎回のように練習に入ってくれて日々ラクロスについて教えてくれている。2年生が練習相手としてやってくれたりわざわざ遠いところまで来て、練習に付き合ってくれている。今までこんなにチーム全体がウィンターに対して向かっていることを見たことがない。こんなにも全員が時間を割いてくれて、優勝を待ち望んでいるのも見たことはない。もはやウィンター優勝は一年だけの目標ではなく、平野組の悲願だ。みんなが協力してくれている。
一年生のみんなに言いたい。
君たちは日本一運のいい一年生だ。間違いなく他大でこんなに一年生を考えてくれているチームはひとつもない。こんなに周りから与えられているチームはない。ほんとに運がいい。最高に恵まれている。
けど今のままじゃただの”運のいいチーム”でしかない。ただ運がいいだけでは優勝はできない。優勝するためには他の人から与えられた「運」では足りない。他者から与えられた「運」はすぐに使い切ってしまう。
「強運」でなくてはならない。
足りない分は自分から掴み取らないといけない。
自分たちが背負ってるものを考えろ。
誰よりも重いものを背負ってるはずだ。
諦めていいはずがない。
最後までやらない理由がない。
運を掴むにはどんな時も諦めてはいけない。
諦めた瞬間に運から見放される。
運は最後までやり続けた人にしか掴めない。
誰よりも執着しろ。
誰よりもやり続けろ。
誰よりも勝ちに拘れ。
誰よりも貪欲になれ。
誰よりも強運になれ。
GRIT
学生コーチ(#87)元植宣宏