10月19日、関東FINAL4、日体戦
早稲田は勝った
ついにFINAL4の壁を超えた
グラウンドで喜ぶみんな
だが、そこに俺はいなかった
勝利の瞬間
心の奥にあったのは歓喜や安堵よりも大きな焦りと劣等感だった
この感覚は、どこか懐かしい
一年生のサマー
野澤組が優勝したあの日
俺の序列は下から三番目
出られるはずもなかった
ベンチの奥から同期の活躍を見つめるしかなかった
試合後の歓喜の輪がどこか虚しかったことを思い出す
この四年間を振り返ると
楽しかった日々よりも、苦しくて、情けなくて
心が折れそうになった時間の方が多い
何度も「もう辞めてしまおう」と思った
怪我で積み上げたものが崩れ
努力の意味を見失いかけたこともあった
それでも、グラウンドに戻ってくるのは同期のおかげだった
練習後にたわいもない話をする日
一緒に車で遠征に向かう日
サウナで語り合う日
それら全てがかけがえのない思い出です
今はラクロス部を続けた自分を
少しだけ誇りに思う
続けてこれた理由がかっこいいものではないけれど
それでも続けた先にしか見えない景色がある
もし今、迷っている人がいるなら伝えたい
結果や立場ではなく
“続けた”という事実が、きっとあなたを強くする
小さなことでいい
目の前のパス、グラボに向き合う
できることを増やして、積み重ねていくこと
飛び出し、チェイス、誰でもできることに真摯に向き合うこと
そうやって少しずつ成長してきた自信はある
俺に観客を沸かせられるような
派手なプレーはできないかもしれない
それでも
勝利につながったと言い切れる姿を
明日は見せます
明日は関東FINAL、明学戦
四年間の自分を肯定するために
今までの感謝を伝えるために
仲間を信じて泥臭く、貪欲に
勝つ
DMF #25 石津郁弥

