プレーヤーを辞め、アナライジングスタッフという謎に包まれた組織に加入して半年が経過した。
頭がキレたりパソコンが得意だったりも一切なく、右も左も分からない状態でのスタートだった。
土本から振られた仕事を淡々とこなし、某スカウティングリーダーにいびられ、正直なんでこんな雑用やってんだって思うことがよくあった。
でも今は違う。
日々どうしたらチームが日本一なれるかを考え、そのためにスカウティングという観点からできることを主体的に考え行動しているつもりだ。
こう思えるようになったのは、スカウティングに全てを捧げてる宇野や土本の熱い気持ちに触れ、自分の気持ちの甘さに気付かされたから。
そして何よりも、同期のみんなに勝ってほしいという強い思いがあるから。
同期には、自分がこんなにも裏方としての役割に喜びややりがいを感じる人間だったということに気付かされた。
ASに転向した頃は同期のみんなが活躍してる姿を見ると、嬉しい気持ちと同時に、もうラクロスはできないんだというどこか寂しい気持ちになると思っていた。
全く違った。
先日のBリーグfinal4の慶應戦。
慶應Bのスカをしっかりやりたいと自ら提案した。
初めて自らの意見で新たな取り組みをし、初めて一任された仕事。
そして圧勝。
Bリーグ全日本選手権出場を決めた。
自分たちの力なんか微々たるものでも、関わらせてもらった大事な試合での勝利は恥ずかしながら泣きそうになった。
特に、ヘルニアで同じ時期にリハビリで苦しんでいたりょうがが点を決めたときは、涙を堪えるのに必死で紺碧が歌えなかった。
こんな気持ちになるのかと、裏方としてであってもこんなにも喜べるのかと、味わったことない喜びだった。
選手が日本一になるためならどんな要望にも答えるしどんな雑用でもこなす覚悟がある。何人分であっても編みまくる。
スタッフという立場から客観的に見ても、今年の早稲田は強い。
ASっぽく今年の夏休みの練習時間をざっと計算すると、例年の倍くらいやってる。
こんなにやってるやつらが負けるはずがない。
自信を持ってほしい。
社会人との練習試合での勝率・得失点差も例年の早稲田や他大学と比較しても圧倒的だ。
にも関わらず慢心もなく、謙虚な姿勢で取り組む今の早稲田は日本一に最も近く、日本一になるべきチームだ。
みんなの『巧より強たれ』を見ていると、秋山組という言葉や同期愛が伝わる一文が頻出する。
過去三年分の『巧より強たれ』と比較してもその割合はすごい。
この代で、この同期のみんなと日本一を取ることに意味があるのだとアナラインジングした。
2日後はBリーグfinal。
試合に出てるみんな以上に本気で撮影する。
最高の形でBリーグ全日、Aのfinal4に繋げよう。
そして江戸陸で日本一を取って、日本一の裏方として
また涙で紺碧が歌えなくなる。
そんな喜びを、この同期と味わいたい。
CHANGE
AS 高路承