大学に入るまで、何かに本気で打ち込んだことがなかった。
勉強にしろ、スポーツにしろ、いつもそこそこの結果を残すために、必要最低限の努力しかしてこなかった。
何かを成し遂げたことも、一位を取ったことも、これだけは頑張ったと胸を張って言えることも、正直ない。
そんなダサい自分が嫌で、
何かを成し遂げた”かっこいい”自分になりたくて、
早慶戦の舞台で活躍する姿を見せたくて、
ラクロス部に入部を決めた。
しかし、目標であった早慶戦の舞台に立つことはできていない。
”かっこいい”自分にも未だなれていない。
一年生はβで、サマー予選敗退。
2年生はCで、育成決勝の出場時間はゼロ。
3年生もCで、育成リーグでは無得点。
そして現在はBチーム。リーグ戦もいまだ無得点だ。
高校からラクロスを初めてもう7年が経つというのに、Aチームどころか、所属チームに貢献することもできていない。
こんなダサくて、カッコ悪くて、結果を残せていないラクロス人生だけれど、
ラクロス部を選んだことに悔いはない。
部活を辞めたい、サボりたい、
こう思うことは何度もあった。
経験者なのに、下手な自分が嫌で、思い詰めたこともあった。
それでも結局、4年間続けられたのは、
下手だけどラクロスが楽しくて、
同期と一緒に過ごす時間が楽しくて、
そしてなによりも、
いつか周りに”かっこいい”自分を見せたかったからだと思う。
ラクロスを応援してくれた両親、
一緒にラクロスをしてくれた、同期、後輩、先輩方、
下手な自分にアドバイスをくれたコーチの方々、
練習環境を整えてくれたマネージャー、トレーナー、
本当にありがとう。
気がつけば明日はfinal4.一橋戦。
目標の早慶戦には出場できなかったけれど、
Bリーグで関東制覇できるチャンスがある。
4年間の集大成として、
これまでの人生の集大成として、
ダサい自分に期待してくれている人たちのためにも、
必ずや優勝を成し遂げる。
そのために、まずは明日、
俺がグラボを取って、クリアをして、
点を取って、チームの勝利に貢献する。
ダサかった自分から
”かっこいい”自分になる為に。
真
MF (#77) 多木翔大