直感で入部を決めた。
自分の人生の中で、本気で取り組んだと自信を持って言える経験をしたい。
いつもあと一歩のところで終わってきた中途半端な自分を強くしたい。
自分でも「日本一」をとれる組織で活躍出来ることを証明したい。
そんな想いが心のどこかにあったのかもしれない。
でも入部してみると、附属生ばかりだし、同じ学部の同期も少ないし、かなり居心地悪くて、
ラクロスも朝早いし、プッシュ痛いし、めちゃ難しいし、
広島の片田舎から上京してきて、ただでさえ初めて尽くしだった自分にとっては、毎日が本当に本当に大変だったのを覚えている。
東京での生活に慣れてきた後も、
皆が上手くなり、試合で活躍していく中、自分は全く上手にならないし、試合で結果を残せなくて、全然楽しくなかった。
決して頑張っていないわけではなかったけど、
まだまだ取り組める事はあったと思うし、
まぁまだ本気でやっていないからと、上手くいかない言い訳にしていたんだと思う。
あの時の自分は、本気になることを避けていた。
本気で頑張っても報われなかった時、自分の限界を知ってしまう気がして。
今思うと本当に情けない。
こんな感じでラクロスをし続け、
自分が上手くならないだけでなく、
同期の皆にも自分の責任のない行動で迷惑をかけた事もあった。改めて申し訳なかったです。(白井と狩野と一緒に練習前、月がまだ見えるグラウンドで約1ヶ月間罰走し続けたね。)
そんなこんなで入部時の想いに自分自身まったく気付く事がないまま、同期の皆にさらに差をつけられ、MF序列最下位も経験した。サマー、ウィンターとほんの少ししか出場していない。
サマー優勝の嬉しさも、ウィンター準優勝の悔しさも、どこか100%感じることが出来なかった自分がいた。
そんな自分にとって後藤組の姿は大きな衝撃だった。
上手いし、強いし、単純にめちゃくちゃかっこよかった。
今でもそう思うが、1年の自分にとっては異次元だったと思う。
強い憧れを抱いた。
こんな風になりたいと心から思った。
そして、ふと、
自分が4年になった時、このままの成長曲線で後藤組のような強いチームの一員として活躍できるのだろうか。
と思った。
絶対に無理だろ。
今のままでは4年になってCチームでプレーしてるな。
何か変えなければ、この未来を変えることは出来ない。
そう感じた。
初めは何を変えればいいのかも分からなかったが、
とにかく思いつく限り、本気で取り組んでみることにした。
自分のラクロス人生の大きな転換点だったと思う。
AチームやNCAAの動画を見漁り、
自分の練習動画を何度も見返して、毎日試行錯誤しながら練習をした。
今思えば当たり前にすべきことだが、当時の自分にとっては大きな進歩だった。
夜練にも数えきれないほど行った。
大体は中小路さんがいた気もするが、一人でゴールとネットを出して、打ち続けた日も何度もあった。
何本打ったのかは分からない。がむしゃらにもがき続けた。
気付けば “なんとなく”自分の強みだったシュートは、“間違いない”自分の強みに代わり、練習や試合でも点を取れるようになった。
ここら辺から、本気で取り組む事の楽しさ、ラクロスの面白さに段々と気付くようになり、入部時の自分の想いも思い出すことが出来た気がする。
自分でも格段に上手くなっている実感はあったが、現実はそこまで甘くなく、2年のほとんどはCチームで過ごした。
「いや俺の方が上手いやろ。」そう思ったこともあったが、
その中でも、将来絶対にAチームで活躍するという想いを忘れたことはない。
努力し続けた。
その後、3年初めのチーム編成でAに選んでもらえた。
今でもメーリスを見た際に、震えたことを覚えている。人生の中でも5本の指に入るくらい嬉しい瞬間だった。
当時の自分は意外と冷静で、こっからがスタートだなと思っていたけど、その通りだった。
Cの時とは全く違う環境、戦術・考え方、でかくて強くて怖いDF、勝たなければならない重圧。
全てが新鮮で、きわめて大変だったが、毎日が挑戦の連続で楽しかった。
でも、そんな3年はFINALで慶應に負けて終わった。
リーグ戦で大した活躍をすることも出来なかったし、
FINAL4の中央戦はベンチ外で見ていた。
再び選んでもらったFINALでも、何も出来なかった。
丸田組の最後を優勝で終われなかったことに大きな責任を感じたし、自分の力のなさと、勝たなければ何も意味がないことを痛感した。もうこんな想いをしたくないと思った。
そして迎えた今シーズン。Aの主力として、強い平野組の一員として、活躍すると意気込んでいたが、正直、自分は、これでもかというぐらい、うまくいっていない。
普通にやれば活躍出来るだろ、みたいな慢心があったのかもしれない。
いざ蓋を開けてみると、思ったようなプレーが出来ないし、ビデオを見返したくないようなミスもするし、挙句の果てにはケガもして、2カ月くらいプレー出来ない日が続いた。
本当に仕方のないことだが、早慶戦が無観客だったり、リーグ戦の形式が変わったりと、自分が強く憧れ続けてきた舞台とは違うものになってしまったことは、自分にとっては大きなショックだったのだと思う。
ラストイヤー。これまでとは比べ物にならないくらい必死に取り組まなきゃいけないのに。1日1日が大事なのに。アクセルを踏んではいるけど、なかなか前に進んでいかない感覚だった。
そんな中、自分に再び力を与えてくれたのは「周り」の存在だった。
Cチームで長い期間一緒に過ごし、今やDMFの大黒柱として活躍している狩野。
みるみるうちに成長してくれている生意気な後輩。
時に優しく時に厳しく指導してくださる、自分に期待してくれている奥さんや、秋山さんをはじめとするコーチ陣。
うまくいっていないことを察してか、LINEをくれる浅見。
そんな浅見が育て上げている希望に満ち溢れた1年生。
これ以上挙げればキリがないからやめるけど、本当に「周り」の存在は自分にとってこれ以上ない大きな刺激になっている。
よしもいつも厳しく言ってくれてありがとう。
直感だったが、このチームを選んで、平野組で本当に良かった。居心地も最高です。
ケガが明けてから、自分なりに試行錯誤してきたが、これを書いている現在も、上手くいかないことは多い。試合にどれだけ出してもらえるかもわからない。
でも最近、ようやくだが、長い長いトンネルの出口が見えてきた気がする。
なにかきっかけさえあれば、すべてが上手くいくような感覚。
「その時」が来るまで、もがき続けていこうと思う。
「雪に耐えて梅花麗し」
一番尊敬する、カープで活躍した黒田博樹さんが座右の銘にしているという、西郷隆盛の言葉だ。
厳しい冬に耐えてこそ梅の花は美しく咲くように、人間も多くの試練、苦しい時期を乗り越えてこそ大きく成長できる、そんな意味がある。
上手くいかなくて苦しんでいる今の状況も、大きく成長できるチャンスと捉えて目の前の一つ一つを精一杯やっていくしかない。
遅くなったかもしれないけど、
自分に出来ることを、自分に求められていることを、やり抜き通していくと
ここで誓います。
最後に
いつも遠くから、でも一番に応援してくれている家族。
特に、出場機会のほとんどない新人戦にも広島から足を運んでくれたり、九州まで青木組の試合を見に行ったりと、もはやただの早稲田ラクロスファンの母。
いつも数え切れないほどのサポートをしてくれているおかげで、間違いなく人生史上一番熱い時間を過ごすことが出来ています。
本当にありがとう。感謝しかないです。(インスタで応援メッセージを送るのは恥ずかしいからちょっとやめて欲しいかもしれんけど。)
実際に試合を見てもらうことは難しくなったけど、必ず勝ち続けるので、これからも応援よろしくお願いします。
さぁいよいよリーグ戦が始まる。負けたら本当に終わりの一発勝負。
相手は武蔵。自分たちがリーグ戦を勝ち抜いて、悲願である社会人を撃破し、伝説を作っていくにあたって、またここで一つ成長していけそうな、本当にいい相手。
苦しい時間帯はあるし、死を覚悟する瞬間も必ずある。
そんな中でも各々が自分らしくプレーすることは一番大事。試合になるともう変に考えすぎる必要はない。普通にやれば必ず勝てる。
緊張もすると思うけど、その緊張は本気でやってきた人しか味わえない、勝負の醍醐味でもある。緊張も楽しんで、自信持って思い切りプレーしようや。
「平野組は強い。」
直感で思い続けていることだが、勝たなければ何も結果として残らない事は皆も分かっているはずだ。
これから始まるリーグ戦。
攻めて攻めて攻めまくって、
作り上げたWAVEで、
真の日本一へ。
俺たちの4年間を、平野組の真価を、ここから証明していこう。
GRIT
OMF #15 高田凜太郎