平野組の最後がやってきた。
ABCチーム全て負けた。
同期や後輩が散った瞬間を見るのは本当に苦しかった。
改めて、勝つのは難しいと感じた。
ただ、俺自身は明日のウィンター優勝してやると。
今はそこだけに全集中している。
巧より強たれは、自分語りにも啓発本にもなり得る。
自分自身がどんな思いで活動してきたのか
普段伝えないことをこのブログという形で発信することで
明日のウィンター本戦での優勝へ
主人公となる一年生
今年1年チームを共に創りあげた小菅さん、元植
日頃からお世話になっているコーチ陣や同期後輩
陰ながら応援しこれを読んで下さっている方々
少しでも滾ってくれればと思う。
明日優勝するための必要なピースになるよう一生懸命書きました。
21年間の人生において、この組織で学んだことはとても多い。
高校までは順風満帆に進んでいたが、大学からは苦しいことの方が多かった。
1年生は、新人戦にもあまり出れずチームの勝利に貢献出来ている気がしなかった。
2,3年生でも、上のチームに絡んでもすぐ降格を繰り返し、シーズン終盤にはそれぞれBCチームでの活動となった。
文言では何とでも言えるが、振り返ればただ中途半端だった。
上のチームに定着できない。活躍できない。
自分が甘かった。それでしかない。
来年最上級生になる3年生を始めとした後輩たちは、
いま一度自分自身の活動をやり切れているか、見つめ直し行動してほしい。
ありきたりな文章にはなるが、後悔してからでは遅い。
先人の言ってることはやはり意味があるし、どれだけ当事者意識を持てるかだと感じる。
そして、4年生。
特に、この1年間は俺の人生において非常に濃密な時間だった。
まずは、学生コーチへの葛藤や決意について
これまでの悔しさを糧にラストイヤーやってやると思っていたが、学生コーチへ転身。
理由は、怪我や技術面を考慮して最大限チームに貢献するため。
選手で一緒にAで頑張ろうと止めてくれる同期達がいて、正直本当に悩んだ。
スポーツをやる以上自分自身がプレイヤーであることがこれまでは当たり前だったから。
サポートすることしかできない立場で果たしてやり切れるのか。
選手への後悔を完全に拭いきれていた訳ではなく、特に早慶戦の勝利は単純に嬉しいという気持ちだけではなく、自分自身続けていたらどこまでやれたのかを考えた。
そんな自分の感情や未練とは裏腹に、新歓や新人育成という全く新しいことへの挑戦。
自分たちのやり方が正解なのか分からないまま時間はあっという間に過ぎていく。
サマーまでの練習試合負けなし状態。
挨拶など人間的な幼さが露呈し数多の問題が発生。
フルに移行してからのOF不振で、チームが全く勝てない。
ウィンター優勝のためにはどうするべきか、度重なる学年ミーティング。
ようやく波に乗り出した学年合宿と予選前の練習試合。
予選にて、宿敵慶應とのハラハラドキドキ逆転勝利。
挙げれば切りはないだろうが、波乱万丈な1年だった。
そして、プライベート面で大きな転換点が訪れた
8月に父が亡くなった。
大学2年の冬時点でステージ4の末期癌が判明。
もうあまり長くないことは分かっていた。
社会人として自立するまで、守られた環境で育つ学生のうちに結果で恩返ししたかった。
しかし、それはもう叶わない。
夏の期間は部活から離れ、復帰してもどこか落ち着かず、ふとした瞬間に思い出す。
寄り添ってくれた同期や後輩には感謝してもしきれない。本当にありがとう。
そこで、改めて気付いたことは、「時間は有限」ということ。
だからこそ後悔はしたくないという思いが人一倍強くなった。
また、3年生の時にお世話になったモナさんの言葉がより心に刺さるものとなった。
「置かれた状況において、愚痴を吐き廃れるやつは2流、がむしゃらに頑張るやつが1流、利用して行動する奴が超1流」
身近な存在の死でも、練習での1プレーでもそれはきっと共通している。
ただいくら行動しても、結果がついてこなければそれは間違い。
結果だけがそれまでの過程が正しいと証明してくれる。
コーチの難しいところは、こうするべきだと面舵を切り方向転換しようとしても
伝え方、伝える人との信頼関係、その人自身のモチベーション等、考えればきりがない気もするが、想定したように伝達することが極めて困難。
個人でどうこうしようとすぐ決め行動するのとではまるっきり異なる。
ただ伝え過ぎでは駄目で、ある程度抽象的に伝えて彼らの主体性を生み出すことも大切。
つまり、どんな選択にも+ーがあり、個々人によって感じ方は違う、やはりバランス感覚がものをいうだろう。
だからこそ、状況を利用するという精神状態を大前提として取り組む。
そのうえで、
・予測
・切り替え
・運動量
これら3点を徹底することが結果を残すために必要なのではないかと考える。
練習試合の時から、試合全体で意識する点として挙げていたことだ。
この1年間やってきたことを信じ、徹底して、発揮するのみ。
正解だったかどうかは結果だけが証明してくれる。
このマインドを1年生に波及できただろうか。
それもまた、彼らがグラウンドで体現し証明してくれると信じて。
ここまで多くを学び、実践する立場に今いる状態には色々な人々の支えがあってのことだ。
コーチ陣
今年初めて関わるようになり、学生がラクロスに集中できる環境を作ることの大変さを身に染みて感じました。
時には厳しく、時には優しく1年チームに目をかけてくださり本当にありがとうございました。結果で恩返しします。
学生コーチの先輩方
早稲田が負けてはいけない組織であるということを刷り込み、時に厳しく指導してくださった太田さん。
ATというポジション柄太田さんからの憤怒に落ち込む自分に、気を配り優しくフォローしてくださった翔さん。
学生コーチという立場になって、改めてお2人の偉大さを感じます。
2年生の時にお世話になったCの先輩方
どんなにチーム状況が悪くても、常に声を出し練習間のジョッグを徹底し背中で見せてくれた土生さんを始めとする4年生の先輩方。
気付くのはだいぶ遅かったかもしれませんが、その姿に感化され狩野高田オギで俺ら2年がやらなくてはと主体性を学び成長できました。
3年生の時にお世話になったABの先輩方
常に情熱を持って練習に取り組み、少しでも甘いプレーをしてるやつにはパッションが足りてないと叫び合う徳増組。
口だけよく動く自分に大きな刺激を与えてくれた一年でした。
そして、同期
学生コーチになり、チームの中枢で動いている幹部の活動が少ない一面ながらも見れる立場になった。早稲田のAチームで日本一を本気で目指す組織だからこその責任感と覚悟。
また、各々が果たすべき役割を果たし、各方面で努力する姿に何度鼓舞されたか。
しかもこんな寒い中でも朝早く教えに来てくれ、いつも支えてくれて本当にありがとう。
改めてこの組織で多くを学び、かけがえのない出会いだらけであった。
"一年生は、真っ白なキャンバス"
いつか小菅さんから教えて頂いた言葉。
自分が与えたもので色付き、新しい色を上から塗ってもそのままの色ではなく混ざった状態となる。早い内でないと、塗り替えることがどんどん困難になる。
全チームを経験し、かつ選手だけでなくコーチという立場でもスポーツに関わるようになり、異なることを学んだ自分だからこそ与えられるものがある。
序盤にサポートしかできない立場になることへの不安を綴ったが、自分自身がプレイヤーであるという認識に変わった。
小菅さん
本当にお世話になりました。
初めて学生コーチとして活動する中で、かつ2人ともが自我を強く意見をぶつけることが多い分、小菅さんのまとめるお力無しではやっていけませんでした。長年の経験を活かしながらも、その代に合った方法を提案して頂き、自分たちだけでは1年生に与えられなかったものを持っていて助けられました。平野組では成しえなかったウィンター優勝を3年越しに味わいましょう。
元植
1年間共に走り抜いてくれてありがとう。
真逆な人間のタイプだからこそ、衝突も多かったし相乗効果もあったな。
部活だけじゃなく、いろんな面でお前には支えてもらって感謝しかないです。
いよいよ明日だけとなって、寂しさマックスではあるけど。
最後まで楽しんで笑って終わろうや、相方。
父へ
天国から見守っていてください。
必ず良い結果報告しに行きます。
母へ
本当に今までありがとう。
部活に集中できるように、全力でサポートしてくれてありがとう。
父が亡くなる前、亡くなってから肉体的にも精神的にも一番辛かったと思います。
そんな状態でも支えてくれたからには、最高の結果で恩返しするしかないと思ってます。
動画配信から応援して、学生として最後の雄姿を見届けてください。
最後に、1年生へ
俺らのやり方に喰らいつき、付いてきてくれてありがとう。
ラスト1年間がここまで充実し、本気で優勝したいと思えたのは君たちのおかげ。
明日で終わってしまうのが悲しい限り。
1年生というのは難しくも面白いもので、蓄積が浅い分まだまだ明日の試合を変えられる。四年生にもなると、それまでの長年の積み重ねがモノを言うだろう。
明日の起こりうることを予測し、どう切り替え、どれくらい運動量高くそれを実践するか。
グラウンドが悪いのは相手も同じ
だったら相手と自分が離れてても、一発でグラボ取り切れるか分からないわけだから、死ぬ気で寄ろう。最後まで継続しよう。
3連戦きついのはどこもそう。
じゃあ、人数が多いチームかつ単独チームで意思の疎通も取りやすい環境を利用して、全員で戦う意識を持つ。いつ何時でも誰かが怪我をして、スタミナが切れるかもしれない。
だから、ボックスでは全員が今ココ自分を最大限発揮し、死ぬほど声出して体あっためといて、いつでも出れる体の状態をキープしよう。
このイメージ量を増やすだけでも明日のスコアは変わる。
優勝できるか、できないか変わる。
この瞬間も、明日のどの瞬間も今ココ自分で最大限やり尽くせ。
その上で、勝つか負けるか。
とてつもない緊張感と高揚感を味わいながら楽しんでやれるか。
やはり、勝負は難しいし苦しいけどたまらない。このメンタルで挑もう。
ABCチームの大会・新人戦サマーあすなろの優勝は経験したが、ウィンターの優勝だけはまだない。一緒にそこから見る景色を獲りに行こう。
ちなみに俺は、紺碧の空を歌い、みんなに背中を押され大宮けんぽの空に浮く瞬間まで
だいぶ前からイメージしてる。
勝ち続けた時期、連敗した状態、チームがバラバラになった時、一丸になった瞬間。
色んな波を経験したからこそ出る深みがそこにはあるはず。
うまく優等生ぶって失敗を犯さないとかでは全くなく、学生コーチの操り人形としてやってきたわけでもなく、自由にやってきたからこそ色んなバランス感覚を学べただろう。
だからこそ、どんな瞬間が来ても乗り越えられる。
間違いなく、君たちは強い。
最後に、一言。
あえて簡単な文字かつこれまで言い続けてきた言葉にして、各々が感じる意味を巡らせ、
深く考えて欲しい。
“徹底“
GRIT
学生コーチ(#43) 浅見真斗