『歩』
特別な想いがある。
なぜ、ここを選んだのか。
はっきりとした理由は今も上手く説明できない。
ただ、齋藤組の六大学戦で優勝し歓喜する先輩たちの姿をみたとき、
その背中に強く憧れて、
無性に胸が熱くなって、
「入らなければきっと後悔する」
そんな直感に突き動かされて、ここを選んだ。
振り返れば、思い出が山ほどあって、ひとつひとつ書き尽くすことはできない。
それでも、鮮明に覚えている「初めて」がいくつもある。
初めて先輩からテーピングを教わったとき。
ただ綺麗に巻くだけじゃなく、力のかけ方や細部までのこだわり、そして圧倒的なスピードに衝撃を受けた。
初めてリハビリを担当したとき。
不安だらけで難しいことばっかりだった。
それでも、選手が復帰して、試合で活躍する姿を見たときは、最高に嬉しかった。
この瞬間こそ、トレーナーの1番の醍醐味であると今も思っている。
初めての大きな大会、サマーで優勝したとき。
みんなで喜び合ったあの瞬間は、これからもずっと忘れられない。
勝つことがこんなにも嬉しいのかと心の底から思った。
学年が上がるにつれて少しずつ余裕が生まれた。
考えられることも広がってきた。
選手が少しでも前向きにリハビリに取り組める方法はないか。
過去の怪我のデータを集めては、どうすれば怪我を防げるのか。
考えるのはトレーナーの仕事だけじゃない。
「どうすれば選手がより良い環境で練習できるか」
その一点を考え、行動してきたつもりだ。
パイロンを回収し、ボールを拾い、他のポジションの仕事も見て、学んで、動いてきた。
ずっと前に、先輩が言っていたことがある。
「スタッフの一番の役割は、選手が練習により集中できる環境を整えることだ」と。
当時はあまりピンときていなかったけど、今ではその言葉の重みがよく分かる。
シンプルだけど、本質を突いた言葉だと思う。
スタッフは直接得点を決めることも、試合を動かすこともできない。
けれど、選手の可能性を広げることはできる。
そういう意味で、本当に誇れるポジションだと思っている。
もちろん、大変だと感じたことは数え切れない。
それでも、どんなに苦しくても、一瞬の喜びがすべてを上回った。
サマーで優勝したとき。
植村さん率いるBチームが優勝したとき。
育成リーグで2連覇したとき。
そのたびに強く実感してきた。
やっぱり、一番上が一番いい。
当たり前のことだけど、その頂点に立つのは簡単じゃない。
これまで、ラクロスに全てを捧げてきた先輩たちが、涙を流しながら引退する姿を何度も見てきた。
その光景が、今も目に焼きついて離れない。
だからこそ、私は日本一になりたい。
応援してくれる人のために。
背中を見せてくれた先輩のために。
この4年間を最高の形で締めくくるために。
仲間と笑顔で終わるために。
必ず優勝して、日本一になる。
それが、私たちの「歩んできた道」の証だから。
お世話になった方々へ
コーチの方々。
お忙しい中、いつもご指導いただき、本当にありがとうございます。
菜穂さん、貴子さん、佑有さん、至佑さん、たくとさん。
尊敬する先輩方の大きな背中から、たくさんのことを学んできました。
卒部後も変わらず応援してくださり、本当に感謝しています。
必ず優勝する姿をお見せします。
大好きな後輩たち。
あかり、せいな、みり。
3年間ずっと傍で支えてくれてありがとう。
みんな元気で、可愛くて、頼もしくて。 ひたむきに努力する姿に、いつもたくさんの刺激をもらっています。
これからも一緒に頑張っていこうね。
りの、ゆうな。
TRを選んでくれてありがとう。毎日成長していく姿がとても眩しくて、これからが本当に楽しみです。
そして、野澤組の同期へ。
静かだけど、一人ひとりがチームのことをたくさん考えていて、熱い炎を持っている。
そんな優しくて、尊敬できるみんなと一緒の代で本当に良かった。
特にスタッフ陣
毎日しょうもない話ばっかりだけど、たくさん笑わせてくれてありがとう。
まだまだ大好きな仲間とラクロスを続けたい。
明日は明学戦。
日本一への道をつなぐ、大切な一戦。
絶対に負けられない。
この4年間のすべてをぶつける、
特別な想いで、
力強く、
いざ、強たれ。
VECTOR
TR 永沼愛子