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2025

〜巧より強たれ〜『烈火』新井創太

 9月も後半になった。

 

夜は肌寒さまで感じる。

 

いつもの月末と同じように、東伏見の事務所に向かい、来月分のグラウンドを予約する。

 




この毎月の当たり前も、もう片手で数えられる。

 






引退の季節が、近づいてきた。

 

 

 



「日本一に憧れたから」

 





そんな立派な志をもって、この部の門を叩いたわけではない。



 

「なんでラクロスやってるの?」という

 

幾度となく投げかけられてきた質問にも

 

間を置かず、明快に返事をできた記憶がない。

 





でもなんとなく、

 

 

ずっと勝負の世界を求めていた。

 

息が詰まるような展開や、

 

血が沸き立つ感覚、

 

お互いのプライドがぶつかり合う勝負の世界が




 

ずっとほしかった。

 

 









 

入部から3年半が経ち、

 

思い出されるのは、もどかしさを感じたときばかり。

 



サマーで1秒も出れなかったときだったり、

 




10人に満たないCチームの練習でスクエアパスしてたとき、

 




主力として活躍する同期をスタンドから見守るとき。

 

 





結果を出せない現実に、

 



焦燥感と不甲斐なさばかり覚えていたが、

 



大舞台で早稲田を代表して戦う自分の姿は、

 




ずっとイメージしていた。

 

 








結局、3年まで公式戦の出場はできないまま、

 

ラストシーズンの野澤組を迎えた。

 

 



キックオフから半年、

 

4年目だが、新鮮なことばかりだ。



 

まず、主務として過ごすこと。

 

多くの人の力を借りていて、

 

役職を全うできている気は正直しないが、

 

いままで見えていなかった部分が、見えるようになった。

 




監督・コーチが平日・休日問わず、チームのことを支えてくださること。

 



渉外担当のMGが、昼夜問わず多方面と連絡を取り、みんなの活動場所を確保してくれていること。

 



TRが、密に連携を取って、みんなのコンディション管理をしてくれていること。

 

ASが日々スカウティングしやすい環境を整えてくれていること。

 



同期がポジリやコーチになって、それぞれのチームを勝たせるために絶えず思案し続けていること。

 




 

今まで享受していた当たり前は、誰かの努力の上に成り立っていることに、

 





遅ればせながら、4年目にして気づくことができた。

 





いつもありがとうございます。

 

 




 

そして早稲田を代表して、ピッチの中で戦えていること。

 




ここまで六大戦、早慶戦、リーグ戦と戦ってきたが、

 

去年までAチームでの公式戦の出場がない自分にとって、

 

すべてが新鮮だった。

 




 

特に印象的だったのは、早慶戦。

 

中学生の頃から憧れ続けた舞台で、大学のプライドをかけて戦えることに、胸を躍らせていた。

 

人生最大の熱量を心に宿して、日吉の地へ向かったが、

 

 




勝てなかった。







 

足りていない部分が、多すぎた。





 

目標の日本一が、

 

追い求めるほど遠くなっていく気がした。

 



でも目の前の勝利への渇望は

 

どんどん大きくなっていった。

 



 

勝つことは簡単じゃない。

 





相手だって、早稲田を倒して日本一になろうとしてるんだから、当たり前だ。

 





ここまでのリーグ戦も、

 

簡単な試合なんて、ひとつもなかった。




 

ほとんどの試合が1点差。

 

残り1分、血眼で勝利を求める相手の息遣いは

 

今でも鮮明に思い出せる。

 





そんな張りつめた展開が、

 

 





いまは最高に楽しく感じる。

 








こんな魂震える瞬間をまだ味わえることが、



楽しみで仕方ない。

 

 







 

FINAL4、グループ1位通過は決まった。

 



全く楽じゃなかったけれど、確実に歩みを進めてきた。

 





でも、まだまだここから。



 

早稲田の泥臭く、攻め続けるラクロスは




 

もっともっと強くなれる。

 

 

 






俺の強みは球際の強度。

 






 

支えてくれる人がいるから、応援してくれる人がいるから、

 

 








日本一を決める笛の刹那まで、

 

 









早稲田の肉壁となる覚悟をもって。

 










 

明日も全力で勝ちに行く。







VECTOR

LMF #19 新井創太

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