9/2(日)に行われました日本代表OBW杯2018報告講演会の後、
4名の先輩方と現役ポジションリーダーによる対談を行いました。
W杯で世界で闘ったご経験や今の早稲田に対しての印象など
様々なお話を伺うことが出来ました。
長くなりますが、どうぞご覧ください。
前半はOF編です。
尚、インタビュアーは岡麻理絵(4年・MG)が務めさせて頂きます。
写真左より
菊地智貴(4年・ATリーダー)、伊藤大貴(2015年卒・AT)、
岩野岳(2015年卒・MF)、森松達(4年・MFリーダー)です。
ー自分が今付いているポジションについたきっかけは何ですか?
伊藤:3年まではMFをやっていて、始めは畑田峻希さん(2016年卒・主将)、岸本僚介さん(2015年卒・AT)・土井一生さん(2015年卒・AT)と同じポジションにいたけど、シュートが得意だったというのもあり、コーチ陣に勧められたというのがきっかけかな。
岩野:新人戦サマーの時、ATで出られるのは一人か二人だったからMFなれと言われたことがきっかけ。足が早い方だったからそのままやらされた感じかな?MFでなきゃいけない理由もないけど、気付いたらMFだった(笑)
菊地:僕は一年生の時の熾烈な争いに勝ちきりましたね(笑)一年生からATやっていて、まあ、一時DMFとかやってたんですけど、基本的にはずっとATです。勝ちきりました(笑)
岩野:どうやって決まっていったの?
菊地:一番上手い人・・・?言っちゃ悪いですけど(笑)
岩野:やっぱそうだよね(笑)
森松:僕は、ATやりたかったんですけど(笑)最初はどちらかというとロングにされそうになっていたので、DMFとして使ってもらって、そのままMFになりました。今年わんちゃんATとか思ってたんですけど・・・
岩野:甘かったね(笑)
森松:甘かったです。
岩野:いっちゃんパターンあるよ。
森松:結構ATやりたかったんですか?
伊藤:やれたらいいなくらい?元々MFでやっていて、ATやったらいいんじゃないかって自分でも思っていたんだけど、別に自ら名乗り出る程やりたい訳ではなかった。
岩野:MFでも試合出られてたもんね。
伊藤:そう。ATでやっていいよって言われたから、じゃあやりますくらいって感じ。
森松:理想的ですね(笑)
ー今の早稲田の特徴・足りないところは何だと思いますか?
岩野:今日試合(※インタビュー当日の朝、岩野が所属するチームのStealersと練習試合がありました)して思ったのは、カットもできるし、シュートもできるし、プレーの幅は広いかな。他大学と比べても一人の選手が持っているプレーの幅は大きいなと感じる。けど、一人一人のパンチが足りなく、「こいつやばい」と思うことがそんなにないのかな。得意プレーがある選手がいた方が見てて面白いし、そういう人がMFにいるチームが勝っていけるのかなって思う。
伊藤:AT・・・?ATみんな上手いよね(笑)中でも取れるし、ミドルも打てるし、ブレイクとかも上手いから、バランスの取れたいいアタックだと思って見ています。
菊地:ありがとうございます(笑)
岩野:本当に上手いよね。
伊藤:うん、そう。うまいと思う。もっとやれると思うから身体鍛えたりとか、ベーシックなところを積み上げていくのが日本一になるには大事なんじゃないかな。俺も大きくないけど、身体はあんま大きくないイメージがある。
ー世界でやっていて感じた「日本」の強み・弱みは何ですか?
岩野:ATもMFも外人に比べて機動力があって、0on0からの1on1とかアドバンテージを作れるし、アジリティの高さが特徴なのかな。それに対して、シュートレンジ・パススピードは圧倒的な差がある。これは多分みんな感じることだよね。あと思ったのは、海外の選手はどんなに点差が離れていても、焦って急いで点を取るってことがあまりなく、各チームのやるべきことをしっかりやってくる。オーストラリアとかは時間をかけてだったり、アメリカはフィジカルを使ってきたり、各チームのスタイルが全然崩れないのが日本との違いかな。安易なプレーとかがない。勝てるチームっていうのは、チームで確立した確固たるスタイルがあるのはポジション関係なく強みかな。
伊藤:確かに、海外の選手とかと比べるとスピードとかでアドバンテージ作れてるかなって思う。弱いところはシュート決め切れなかったり、パス精度やスピードが落ちてしまうことだね。それはやっぱり多分ベーシックなところがしっかりしてないからかな。
岩野:俺らの時の学生と比べて、全員のパス精度が高いと思う。今日はパスミス多かったけど(笑)
伊藤:ATとか見てて、最後に俺だったら打ってるなってところをもう一個パス出して決めきれてる印象があるな。早稲田変わってるなって。
岩野:練習からパス精度意識してるの?
菊地:左右さなく使うようにと咄嗟に出せるように練習することを意識しています。だからそこを褒めていただくのはすごく嬉しいですね(笑)
岩野:すげぇなあ。
伊藤:でもW杯で見たカナダの選手は右手使わず、左手でどこからでも出せるからすげぇなぁって思って、それをやって欲しいなって思ってた。
菊地:日本のATが世界で通用するところってどういったことですか?
伊藤:何だろうな。人によって違うけど、HFOもFFOも足が動くからアドバンテージの取り方は海外と比べて上手いかな。(岩野へ)側から観てて何かある?
岩野:AT・・・?裏からのまくりとか?他のチームと比べて、良くも悪くも身体をあまり当てずに、DFに潰されないでシュートまで持っていけてる。ハンズフリーでシュートシーンまで持っていくことが上手いのかな。でも海外だと、小さいなりに当たるところは当てて、大事なところは当てないっていう緩急のつけ方だったり加減が上手いね。そこまでできるといいよね。
菊地:ざっくりとした質問なのですが、海外のGってどうですか?
岩野:オーストラリアの左利きの選手は、日本人のスタンシューなら8−9割止められるね。海外の選手はシュートスピードが早いから、そういうシュートに目が慣れていて、日本人のシュートを受けると遅く感じるみたい。でも、その選手と話してて聞いたのは、日本人は足を動かしてランシューを打ってくることが多いから止めづらいらしい。スタンシューならある程度コースも見えて駆け引きもできるけど、ランシューは出たとこ勝負だから止められないって話してた。
菊地:他にシュート関連で何かありますか?
伊藤:何かあるかな。
岩野:それしかないだろ、いっちゃん(笑)
伊藤:海外のGも上手いけど、自分が思った通りに打てれば、入らないシュートはあまりない。ただ、少しでも甘いコースで打つと止められるかな。
岩野:いや、普通やん(笑)でもやっぱスタンシューの反応はやっぱり違うと思う。
伊藤:下が強いイメージ。
森松:メンタリティ含め、打つ時どういうことを気を付けていますか?
伊藤:怖いGとかはあまりなくて、どっちかっていうと、自分がここに打ちたいシュートを打ってる。打ち方は・・・
岩野:いつも思いっきり打ってるだろ。
伊藤:いや、思いっきり打ってないよ!
岩野:側から見てて、気持ちよく、「ここに決めたらすごくない?」って思いながら打ってると思う。自分なりの芸術点を高める感じ(笑)
伊藤:あ、そうそう芸術点(笑)
岩野:Gとの勝負じゃないよね?
伊藤:自分が打ちたいシュートを打てるかだよね。でも二人ともシュートはある程度早いじゃん。結構狙ってる?
森松:まあ(笑)狙ってはいますね。
伊藤:打ち方として、意識するところはお尻と手首。ランシューとかスタンシューもお尻から打って、最後手首返してる感じ。
森松:アンダー打ち出した理由も身体的に意識し易いからですか?
伊藤:そう、俺らまあ背高くないじゃん?俺らと比べて背高い人が上から打てば、勢いとか迫力があるじゃん?でもアンダーで打てば、みんなアンダーじゃん?(笑)だからあまり身長によって生まれる差がないかなって。
森松:シュート練するときは自分の得意なシュートを練習するんですか?
伊藤:逆手は一切やらない。(笑)それが良いのか悪いのかはわからないけど、自信に繋がるかなって。
森松:あまりGを騙すというか・・・
伊藤:Gは騙せない(笑)
岩野:いっちゃん、そうだよね(笑)
伊藤:駆け引きして上手くいく人もいるけど、いいシュートを打って入る人は、いいシュート打てばいいと思う。さっきも話したけど、自分の感覚を信じたほうがいい。
岩野:めっちゃ決めてるもんね、二人とも。一試合、二、三点ずつ決めてない?
森松:最近は全然(笑)
伊藤:シューターは迷ったら止められるから、自分を信じたほうがいいと思う。
森松:代表で最後にメンバーに選ばれるためにどういうことを意識していましたか?
岩野:残るためっていうより自分の強み出すしかないから、1on1抜いてシュート打つかアシストするかってところにフォーカスしてた。一個強みある選手って、何かがあったときに入れておきたいなって思うと思うんだ。評価する側から見ても、強み持っておくのって大事だし、選手目線から見ても、自分の得意なプレーがあれば、自分のリズムに乗れたりするかな。
伊藤:俺はとりあえず点を取り続けたかな(笑)
岩野:不遇の一年間だったもんね(笑)
伊藤:ひたすら我慢して、決め続けて、選ばれなかったらしょうがないって気持ちでやってた。
岩野:点取ることが、結果的に自分の強み出してたんだよね。
伊藤:基本的にボールもらって打ちたいから(笑)みんなに自分を知ってもらうこともしながら、コミュニケーションを取るようにして、自分がいいプレーができる環境を作った。練習生も代表もいいやつ多いから結構感謝してる(笑)じゃね?
岩野:うん(笑)
岩野:二人は社会人になったらラクロス続けるの?
菊地・森松:いやぁ・・・(笑)
菊地:サーフィンとかしたいですね(笑)
岩野:サーフィンもやりながらラクロスできるでしょ。
伊藤:午前中ラクロスで、夕方サーフィンとか。ラクロスはやっぱ朝だから。
岩野:まあ、自分の強み持ってればね。サーフィンも(笑)
森松:オフェンスの時の我慢の度合いってどうしてますか?
岩野:W杯では、チームのスタイルよるけど、独りよがりで打っていいってチームはあんまなかったかな。連続点を取り始めたら、その人にボール渡すけど、一回外したらちょっとベンチに戻すかな。試合の流れによってだよね。流れが悪いときに、個人がしたいプレーし始めると、サクセーブされて悪循環だから。でも、いっちゃんあんまり我慢しないタイプだもんね?
伊藤:基本的にシューターは我慢しないほうがよくって(笑)というのも、状況判断はもちろん必要だけど、自分が決められると思ったら打ったほうがいいかも。サクセーブされるかもって思ったら迷いが入って止められちゃうからね。まあ我慢・・・
岩野:永遠の課題だよね。
伊藤:我を出しすぎてのプレーは良くないけど、チームを考えた上で自分のプレーをするのはいいと思う。
岩野:それこそ周りの人がコントロールしてくれるといいよね。
森松:角度が薄いところでのシュートって我慢してますか?
伊藤:外れてもいいから、めちゃめちゃ攻めたシュートを思いっきり打つかな。
菊地:芸術点を(笑)
伊藤:そう、高めの芸術点を(笑)角度が薄くてチームの感覚的には入らないって言われていても、自分が入るって思ったら打ったほうがいい。
岩野:今日も試合中、そこで打たれたら怖いかもってシーンあったよ。あまり枠内入らない選手が打っても怖くないけど、入る選手が打ってくること自体が怖いかも。大事なのは自信と、チームメイトからより、相手から見て怖いのかどうか。ゲームマネージメントかな。
菊地:僕はシュートが苦手で、基本、僕が打っても入らないんで(笑)入る人に渡して打ってもらってます。
伊藤:チームに絶対そういう考えの人がいたほうがいいよ。
菊地:それこそ森松みたいな良いシューターなら沢山いるし、ATもクリースでいい動きしてるので。自我を出して打っても決まらないので、他の人に渡して、あとは任せたって感じですね。
伊藤:それをお互いがわかっていればね。
岩野:当たり前のことだけど。
伊藤:学生だと毎日練習してるからこいつはこういうプレーするってわかってるからね。俺ももっとパス出せるようになりたいもん(笑)
菊地:僕も打てるようになりたいです(笑)
菊地:早稲田が学生と対戦する時と社会人と対戦する時で、オフェンスの質が違うのですが、どうコントロールしたら良いんですか?
岩野:点取れるのなら問題視する必要はないんじゃないかな。いつもならやるべきことはできてたのに、社会人相手になるとできないのはよくないよね。
森松:いや、逆なんですよね(笑)社会人と対戦すると皆意識してしっかりやるんですけど、学生相手だと・・・
岩野:それはダメじゃん(笑)
伊藤:結構難しいよね。
岩野:何分で何点取るとか、幹部陣から条件を設定して、オフェンスするってやり方もあると思う。
伊藤:俺たちも結構できてないことが多いんだけど、ここのQはFFOでも出していいよとか、このQはHFOでちゃんと攻めようって決めてやったほうがいいと思う。
菊地:流れが作れなくて、且つ短いオフェンス時間の中更にシュートが決まらないと、相手に流れを持っていかれてというサーキュレーションに陥ると、何もできなくなってしまうんですよね。
岩野:まあ、あるよな。
伊藤:そういう時のために、セットプレーがあるといいのかもね。わかんなくなっちゃった時に、セットプレーして、シュートで終わって、入らなくても「いいオフェンスできたね」ってなれば良いと思う。
岩野:ゲームの流れを作るようなセットプレーがあるといいよね。
伊藤:共通認識が取れるのがあるといいね。
菊地・森松:そうですね。ありがとうございます。
ー最後にこれからの早稲田に向けて一言お願いします。
伊藤:最近ずっと学生日本一取っていなくて、毎年なってほしいなって思ってる。けど、今年は特にこういった対談を通して関わりを多く持ってくれてる代だと思ってるし、強いチームだと思うから必ず学生日本一を取ってください。ありがとうございました。
岩野:ここからはライバルだと思うので、お互い全日で戦えるようにやりましょう!公式戦で早稲田と戦えたことがないので。あれ、早稲田勝ち上がってきてないのか。
菊地・森松:あ、そうです・・・
岩野:頑張りましょう!(笑)
ーありがとうございました。
明日はDF編をお送りします。