入部して早々気づいた。
変なやつ多いなーと。
具体的なエピソードはそんなに思い出せないけど、一つだけ鮮明に覚えている。
入部して間もない頃のパスメニューで、
俺がミスするたびに尾花が聞こえるようにため息をついていたこと。
二年生で入部した自分にとって「この○○ガキが!」と思う瞬間だったけど、
尾花の「巧より強たれ」を読んだ今は全力で謝れる(笑)。
そんなこともありつつ、
当時は同期が作り出す雰囲気に馴染めず無理して合わせていた。
写真を振り返ってみても、
誕生日の練習帰りにパイナップル丸ごと一個、ストッキング、花をプレゼントされて
それらを抱えて笑っている写真があるのだが、
絶対この笑顔は嘘である。間違いなく無理している。
そもそも、早慶戦に出場して活躍したいという理由でラクロス部に入部した。
その目標が叶うなら正直日本一はどうでもよかったし、
仲間のために戦うというのは考えられなかった。
だから同期が変な奴らでも合わせればいいかって感じだった。
4年目の今年、ついに早慶戦に出場して勝った。
念願の目標達成だ。
ただ、この時感じたのは達成感だけではなかった。
こいつらと一秒でも長くラクロスをしていたい、
日本一の喜びをみんなで味わいたいと思った。
新人戦、合宿、飲み会、授業、何気ない帰り道、味噌麺処花道、
4年間みんなと様々なことを乗り越え、
歩んできたことでいつの間にか俺は変わっていた。
変な奴が多いという考えは変わらないが、
一生の仲間に出会えたと思っている。
明日のファイナル、相手は因縁の東大。
23歳にもなった自分に悔し涙を流させた相手。
認めよう。東大の鉄壁DF。
ただ、早稲田のDguysに守ってる奴なんていない。
攻めて攻めて攻めて
東大にでっかい風穴を開けてやる。
そしてみんなで歓喜の涙を流そう。
攻
DF(#15)石関 航平
WRITER:石関航平