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2022

~巧より強たれ~『信じる』白井菜穂

私は、この部で唯一無二の特権を持っていると思う。




それは、ここにいる自分を客観視するたびに感じることだ。






本編の前に、入れる場所を見失った両親と友達への感謝を先に。




私が帯同していない試合でも見に来てくれる両親。




人生最後のわがままだと決めたラクロス部での日々は、




想像の何十倍も楽しくて、苦しかったけど、




今ここで輝いている姿を見せることが最高の親孝行だと思うから、




もう少しだけわがままな娘を見守ってほしい。




そして、友達のみんな。




久しぶりに会っても、弱音や愚痴ばかり吐いていたのに、




たくさん相談に乗ってくれたり、応援に来てくれたから、




充実した素晴らしい大学生活を送れているよ。




どんな時も味方でいてくれる人がいるって、本当に幸せなこと。




いつもありがとう。







どうしても伝えたかった感謝はこれくらいにして、ここからが本編。




「なーちゃんのごうたれ、絶対に長い!」と言われた通り、




まあまあ長い文章だけど、最後まで読んでね。









































「みんなが輝く姿を一番近くで見たい。」




そんな気持ちで、ここに飛び込んだ。




理想のスタッフ像を考えた時に浮かんだのは、




「あとは任せた。」




そう、自信を持って送り出せる背中があることだった。




直接点を取ったり、ゴールを守ったりすることはできないけど、




それまで自分が積み重ねたことを信じて、選手を信じることで、




初めて実現される理想の自分の姿。




一年生の時は、日々成長する同期に置いていかれている気がして、




常に劣等感と物足りなさを感じていた。




転機が訪れたのは、2019年12月14日。




青木組の全日本選手権決勝の前日だ。




MGの振り分けを見た瞬間、驚きのあまり携帯を落とした。




どうして私を選んでくれたのかは、今でもわからないが、




自分を認め、大切なFOの笛を任せてくれた先輩がいた。




青木組が持つ力を思う存分発揮できる最後の舞台を前に、




選手の先輩も、スタッフの先輩も、いつも通りだった。




それは、今までの自分を信じ、チームを信じていたからだと思う。




下級生で唯一その景色を見せてもらえて、私は恵まれていた。




「3年後、自分もそうなりたい。」という憧れこそが、




誰にも言ったことはなかった、TR転身の本当の理由。







今更ながら、私はTRには向いていなかったと思う。




常に頭の中は最悪の状況が浮かぶし、人のことになると心配性だし。




ただそんなことを考える暇なんて一切ないくらい、




自分とTR組織のことで日々頭がいっぱいだった。




テーピングが下手だから任せてもらえないことが悔しくて、




選手に聞かれてもわからないことだらけなことが悔しくて、




TRが組織として、チームに貢献できてないことが悔しくて。




それでも悔しさを力にかえて、がむしゃらに突っ走るしかなくて、




自分の心と体が追い付かなくなってしまうこともあったし、




TRのみんなにもハードルが高いことを求めたこともあった。




その分、積み重ねてきたことが実を結んだと感じられる瞬間は、




特にこの一年間、自分の想像を遥かに超えるくらい多かった。




真っ先に、私のところにテーピングに来ることが増えた。




リハをした選手が、活躍している姿を見ることが増えた。




どこか痛めた時に頼って、相談してくれることが増えた。




提案したことに、選手が耳を傾けてくれることが増えた。




自分と向き合い、壁を乗り越える姿を見ることが増えた。




後輩たちが自主的にチーム運営してくれることが増えた。




個人として、組織として、目指してきた姿を少しずつ形にできて、




あの日描いた理想の自分に近づいていると思った。






でも、そう簡単に上手くはいかないらしい。






先日のリーグ戦 vs立教、ボックスにいた60分間は地獄だった。




ただ、誰も怪我をしないで、と願うばかりで、




果敢に戦う選手やスタッフ、応援しているみんなをよそに、




六大戦のトラウマから抜け出せず、一番弱気だった私。




試合後に流した涙は、負けた悔しさなんかではなくて、




チームや選手のためにこれまで積み重ねてきたものを




誰よりも自分が信じられなかったことに対する自身への絶望と、




そんな自分がボックスに入る資格はなかった、という罪悪感だった。




一人のTRとして、TRリーダーとして、自分が下した判断一つで、




有望選手の出場機会やチームの貴重な練習時間を奪うこともあった。




誰よりも自分を信じ、選手を信じなければいけなかったのに、




本当に失礼極まりないし、情けないにもほどがある。




あの日描いていた理想の自分とは真反対だった。




だから、立教戦が終わってからすぐに自分に喝を入れ直し、




今まで以上の技術と気持ちを詰め込んで、役割を全うした。




マッサージで身体が動きやすくなったと褒めてくれる同期や、




気持ちを込めすぎたテーピングを受け止めてくれた後輩など、




自分の思い過ごしではなく、周囲の人に伝わっていたことで、




前よりも成長した自分を信じて、選手を送り出した東大戦。




みんなが輝く姿を近くで見られて、本当に幸せだった。




別にAチームに限った話ではない。




学生コーチと共に試合前のメニューを組んでサマー優勝した1年生




チームウェイトで追い込んで、未来の早稲田を育てられるCチーム




後輩TRの成長を見守り、共にチーム運営することができたBチーム




どこにいても、日々自分が積み重ねていることが目に見えて幸せだ。






常に壁があり、個人として、組織として、成長し続けられる環境や、




自分の判断で、全てのチームや選手に大きな影響を与えられる立場、




TRリーダーだからこそ得ることができた数々の経験と様々な感情は、




私が持つ唯一無二の特権だと思う。




だからこそ、後輩に伝えたいことがある。




自分の決断と行動に責任を持て。




これから先、思うようにプレーできないことや役割を見つけられず、




目的や目標を見失いそうになることがあるかもしれない。




そういう時でも、自分が決めたことに責任を持ち行動できる強さは、




選手を諦め、コーチとしてチームに貢献すると誓った人や、




どんなにボロボロでも、コートに立ち続けると決めた人など、




多くの部員の決断を近くで見てきたからこそ、誰よりも知っている。




その先にはきっと、自分にとっての正解が見えてくると思う。




今年だけでなく、来年以降も活躍する姿を楽しみにしているよ。






こんな感じで、あの日描いた理想の自分には近づいてきたけど、




もう少しだけ欲を言わせてほしい。




自分の判断を信じ、支えてくださったコーチの方々、




無茶な壁を与え、乗り越える楽しみをくれた先輩方、




生意気だけど、かわいくてしょうがない後輩たち、




そして何より、




常に自分のモチベであり、尊敬できる同期のみんな、




こんなに素晴らしい人たちと共に過ごせる時間を終わらせたくない。




あの日見せてもらった景色はまだまだ先にあるから、




いや、あの日の景色を超えるものが見たいから、




絶対に全チーム勝ち続けて、齋藤組が最強だということを証明しよう。







「何かあれば私が何とかするから、あとは任せた。」




そう胸を張って言えるほど、




ここまで積み重ねてきたものを信じて、




明日もグラウンドに立つ。









































だから、









































これから先も、たくさん輝く姿を見せて。








































PUMP




TR 白井菜穂

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