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2022

~巧より強たれ~『まさか、』杉田瑞起

10月、長いホイッスルと同時にコート上に膝をつく仲間の姿があった。  






予想より遥かに早い敗退だった。






いつの間にか終わっていた。 






 ベンチに戻る仲間の背中を見て 






「まさか、そんなはずがない」という感情と 






コートにすら立てていない自分の無力さから







 下を向くことしかできなかった。


 










スタンドから見たあの景色はステップで見ていた昨年の武蔵戦の記憶と強くリンクする。  








またしても力のない自分は、これまで築き上げられた








「当たり前」が欠け落ちる瞬間を前にただ呆然と立ち尽くすしかなかった。  








ラクロス部での自分を振り返ってみると 








そんな「まさか」と「後悔」の連続だった気がする。  







ウィンター2回戦敗退、一昨年の育成初戦負け、


昨年のBリーグ全学決勝での敗戦と 








今でも当時の衝撃と悔しさがこみ上げてくるような記憶がたくさんあるが、

 








特に最後の一年間は悪い意味でも濃密な時間だった。 











強烈に記憶に刻まれているのは3月末。


 



阿曽、松村、齋藤の3人にMTG後に呼び出され





何のことかもわからずついていった先で告げられた、 





Bチームへの降格。  





同時にBリーダーへの任命も受けたが、 





全く予期していなかった事柄が一気になだれ込んできて、 





すぐに消化することができなかった。  





「お前ならできる」という言葉の無責任さに憤りを感じつつも、 





自らの力不足に気づかず、このままAチームで





ラクロスができると勘違いしていたことを悔いても悔いきれなかった。  





「このままだとお前も成長しないし、チームも強くなれない」 








そんなことを松村から言われて、心の中にある驕りをドンっと突かれた気がした。 



 






立ち直るのに少し時間はかかったけれど、







自分の慢心を取っ払うため、齋藤組が強くなるため、 






そして何よりまたAに這い上がるため、 







Bリーダーの責務を果たそうと決意した。  











しかし、そこでは常識が通用しない下級生と






病気に苦しめられた。  






部則無視の私生活、早慶戦9人遅刻、遠征でのゴール忘れ…  







ため息すら出ないような珍事件を次々引き起こして、チームの雰囲気は最悪。 





練習試合も勝てず、ついにはリーグ戦でも黒星が付き、






正直Bリーグ優勝の未来がどんどん離れていくのを感じた。  






そんな中持病は悪化し、月1の通院、週3で薬の服用と






高齢男性のような生活サイクルに陥り、





自分がフィールドに戻るのも遠のいた。  






リーダーとして何とかBを強くしたい、





でも外から声を出すことしかできない





というジレンマに頭を抱えた日々だった。 





どれだけもがいても自分の想いはうまくチームに伝播せず、 




ついにすべてを諦めかけたこともあった。    


















ただ、今思えばこれが一番の後悔だ。    




















Bチームはあの頃とは見違えるほどに成長している。


  




本当に何を考えているのか理解できなかった下級生も






一緒にいる時間が長くなるにつれて、 内に秘めた思いが





少しずつ見えてきたような気がする。






普段ずっとふざけているあいつも実は負けず嫌いで、






自分に厳しいが故にすぐふてくされる奴もいる。(ちょっとやめてほしいけど) 






あいつがチーム降格に異を唱えてきたのは単なるわがままじゃなくて、 





強い向上心があったからだと気づく。   






そんなラクロスに対する強い執念が関東優勝にむけてチームを大きく押し上げたと思う。  






また、3年生にもすごく助けられた1年間だった。 




ただ口悪いか、




チャラいか、




声小さいか、




話長いかの集団だったみんなが 






だんだんと上級生としての自覚を持ち始めて今ではチームの中枢として活躍している。  






後輩たちはこんな頼りないリーダーを持って、





我慢する時期も長かっただろうけど 、





最後まで支えてくれてありがとう。  






あの頃は、正直チームに対して色々な負の感情が湧くこともあったけれど、

 




今では驚くほどに成長したみんなと戦えることが





何よりもうれしい。   




そして、どうしようもなかった自分たちに




寄り添い、諦めず指導してくださった大野木さん、海里さん。





本当にお世話になりました。






最後の試合は少しの時間ですが、感謝の気持ちをプレーで表現したいと思います。











もうすぐラクロス部での4年間が終わる。






あんなにも先が長いと思っていた時間が、

 





今となっては想像以上に早く流れたように感じるのはなぜだろう。  






毎朝、池袋の山手線内回り9号車1番ドアで待ち合わせていた




埼玉組の二人がいつの間にか来なくなってとても寂しいし、






たまにBに来てくれる同期の顔を見るだけで







いつもより少し練習が楽しいと思える。





そんな小さなことから、同期の存在のありがたみも再認識させられる。







半ば投げた匙を拾わせるような形でリーダーを任せた磯部。







散々文句は聞いたけど、感情を剥き出しにして







チームと向き合い、まとめてくれてありがとう。









あの時、平林と一緒になって白川をいじり倒したシャワールームも





副将モードのジョーが凍り付かせる空気感も 






リーダーの汚くてでかい声も。







何気ない一つ一つの小さな思い出でさえ寂しさを加速させる。 







期待に胸を膨らませながら入部を決めたあの頃の理想像と比べれば、






現在地はかなりかけ離れたところにあるけれど、 






いろんな人、環境に支えられたおかげで、







”誰にも気なんか遣わずに” 







今、最高だと言いきれる。








最後の最後、「まさか。」なんてことがないように、





後悔が残らないように、






磯部組は勝って終わろう。





PUMP






#26 杉田瑞起


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