人生における大きな決断、そしてそれに伴う大きな転換は人それぞれ多くある。
俺の場合は中学受験した時、
祖父の病気を理由に高校で留学した時、
野球を辞めて水球を始めた時、
仮面浪人すると決めた時。
ラクロス部に入ると決めた時とか、色々。
あの時、あの選択をしていたからこそ、今の自分が出来、今までの道が作られてきた。
そんな道も、この4年間を振り返ると全然楽な道のりではなかった。
むしろ自分の人生を振り返っても簡単なことなんて一つもなかった。
ラクロス部で目立った結果も出せず自分の努力が結びつかないことへの焦りや不安、
活躍していく同期を見ることに嬉しさを感じつつも、悔しさばっかり募っていった。
そして試合に行く度に自分の不甲斐なさを感じていた、そんな四年間。
結果、俺は誰かに憧られるような四年間を過ごせなかった。
けれど、この道中の無数の転換点の中で交差する、ごく少ない可能性の中で、かけがえのない仲間に出会えた。
俺は一年生のあの日、
ラクロス部の体験に行こうとインスタアカウントにDMをしていなかったら、
もし見学の日に顕造と哲太に会っていなかったら、
今この場所にいなかったかも知れない、いやいなかったと思う。
いつも突飛な発言や行動をする自分で、好き勝手なこともしてきたけれど、素晴らしい出会いに満ち溢れた四年間だった。
大好きだった菅野さん、まーちゃん、よく話しかけてくれたかんたさん。
よく挑発して怒って来た大橋さん、宮野さん。
そして色とりどりの同期たちと、意味わからんことばっかりする変な後輩たち。
あと、留学から帰ってきたら入部してた幼馴染の黒いやつ。
不思議なもので、自分に必要な時に、必要な出会いがあったからこそ、俺はこの何色にも輝いている四年間を過ごせてきたのだと思う。
空っぽで無色だった日常に色をつけてくれた最も大切なものは、いつも周りにいて支えてくれる仲間だと気づかせてくれた。
だから今は「ありったけのありがとう」を皆に。
さっきも言ったけれど、俺のラクロス人生は決して輝かしいものではなかった。
一年生の時は12月に入部し、ウィンターは応援しかできなかった。
二年生の時はCで過ごして直向きに頑張っていた。
留学に行くまで時間がなく、自分のできることをガムシャラにとにかく必死だった。
そんな中、面白いからっていう理由でカイリさんにBに連れてってもらってたまに試合に出ることも増えた。けど、特に活躍できたわけでもなく結果も残せなかった。
三年の時は、波乱過ぎた。
留学でついた謎の自信と大きくなった体でなんとかなると思っていたらシンスプに苦しめられ、何も上手くいかなかった。
そして、四年。最後の、勝負の年。
ここで結果を逃すと自分の4年間をドブに捨ててしまう。そんな焦りが芽生えた。
四年でこの考えに至ったのはかなり遅い、でも榊も言っていた通り、遅くても始めなけらばいけない。
心機一転しようとポジション転向した。
そこからは全部が新鮮で面白かった。
シーズンが経つにつれて、評価に気持ちが一喜一憂して、パフォーマンスにムラがある。上手くいかない。頭でわかっているのに、体が思った通りに動かない。
自分が上手くできた時はいいけど、ミスをした時は評価を気にして萎縮してばっかり。
そんな時期がずっとだったけど、
やっと終盤に差し掛かってなんとなく自分の強みを見つけられてきた気がする。
仲間に、信頼を持たれるくらいにまでなれた気がする。
まだまだ至らないところばかりだけど、俺が胸はって守るから、後ろは任せろって言える。そんなところまで来れた気がする。
色々書かせてもらったけど、最後はやっぱり感謝の言葉を伝えて終わろうと思う。
顕造と崚大にはだいぶ助けられた。
留学中に唯一相談できた仲間でもあり、俺がその時に欲しい言葉をくれる顕造。
正直お前がいなかったらとっくに腐り切って辞めていたかもしれない。
間違いなく人生で忘れないほどの感謝と恩。本当に、出会えて良かった。ありがとう。
冷静にアドバイスしてくれる崚大。多分説教されることの方が多かったけど、
悩んでる時はいつも遠征の時の車内の時間に救われていた。
ちょくちょく気にかけてくれて優しい言葉と厳しい言葉を言ってくれる航章。
学生コーチになると言ってくれ、俺に最後まで頑張るチャンスをくれた将也。
特に理由もなくムカつくけど優しくて、いい笑顔の寺尾。
四年間声聞いたことない太希。
めちゃくちゃ怖いけど、その分優しい雄大。
小田急バッツで良く相談乗ってくれるゲイ説濃厚のT。
俺のショットで手折れちゃったラーメン二郎元太。
Bチームの絶対的アイドル敦。
口モゴモゴしてるザキヤマ。
今年はだいぶこのメンバーにお世話になったな。
明日もいつも通り頼みます。
スタッフ陣へ
スタッフのみんなのおかげでいつも練習が出来ています。
マネージャーの笛があるから練習がスムーズに出来るし、動画見て練習振り返れています。
トレーナーのみんながいるから怪我もなく今までやって来られました。
最近は暑い中エンドレスに水筒に水入れてくれてありがとう。みんなが支えてくれているから練習に集中して頑張れます。
最後まで一緒に走りきろう。
コーチ陣へ
毎日お疲れの中、いつも練習や試合に来てくださってありがとうございます。
丸田さんとボブさん、ラクロスだけでなく人としても未熟な自分に優しく接して下さりありがとうございます。そんな二人のことめちゃくちゃ好きです。
優勝して胴上げされるの待っててください。感謝を込めて五メートルは上に投げます。
そして家族へ
いつもありがとう。朝早く起きる時アラームで起こしてしまった時もそのまま見送りしてくれたり、朝気持ちが乗っていない時は母さんの優しい言動に元気付けられていたよ。
家でそんなに話すタイプではないから、感謝を伝える機会は少ないけれど、これからは一生懸命親孝行させてください。
長々感謝のメッセージを綴ったけど、別に明日が引退日でもないし終わりじゃない。
どんなに拮抗した試合になっても俺たちは勝てる。
あいつのため、こいつのため、きつい最後の最後は長い時間を過ごした仲間が隣にいるから。
「あいつと優勝したい」。「あいつと最後まで走りたい」。
そう思える最高の仲間がいるから、走りきれる。
この道を、この軌跡を、この輝く俺らの四年間をより長く共に歩むために。
勝つよ。
軌
DMF(#64)伊藤将吾リッチー