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2024

〜巧より強たれ〜『喜色満面』寺尾拓人

「寺尾、次の試合から悪いけど出せないわ」

1年のウィンター準決勝、俺をSSDMとして育ててくれた学生コーチの元植さんからの一言。




2年の2月、ラクロスが全くうまくいかない日々に突然限界がきて1人必死に涙を堪えて浴びた準硬のシャワー。



3年のBリーグ全学決勝、ついこの間まで一緒に戦っていた大好きな先輩たちが泣きながら喜ぶ姿を、スタンドから眺めた時の虚無感。



さあいよいよ自分にもごうたれを書く時がきたぞ、とわくわくしながら過去を振り返ると、傷跡のように思い起こされるのはこんな記憶たち。



順風満帆とは程遠いラクロス部生活。

憧れてた先輩たちとは似ても似つかない不甲斐ない姿。




上手くいかなかっただけならまだしも、いつも作り笑いで誤魔化して、悔しさにまともに向き合えない。





その程度の努力しかできず、周りの仲間の活躍を羨ましがる日々。




どれも自分の身から出た錆、自分の意志の弱さと気持ちの弱さ、全て自分の決断が招いた受け入れるべき結果。




これで引退なら「喜色満面」なんてタイトル、全く合ってない。






こんなままで4年間を終えていいわけがない。








ラクロスはこんな調子でも、

この4年間、俺は間違いなく幸せで、どんなに挫けても前を向けていた。





それは周りの人に恵まれすぎていたから。






ウィンターの時、全然注目株じゃなかったのに、長文ライン送りすぎなメンヘラってだけで注目選手、成長した選手に挙げてくれた浅見さん、元植さん。



責任と期待を全員が背負え、とみんなを試合に出してくれたCの親、菅野さん。



とびきりの笑顔と優しさ、かっこよさで、自分の憧れだったりゅうやさん。



つんつんしてるけど番号くれた大橋さん。



フェイス専任に誘い、全然フォームも真似しないリカバリ小僧を愛を持って育ててくれたかずさん。



言うまでもない、たくさんの同期たち。



寺尾さんはやってる競技違うから!って言ってくる、無邪気でかわいい後輩たち。






部活の中だけにとどまらない、他にも数えきれないほど沢山の出会いが、落ち込みがちな自分を助けてくれた。






こんなにも色んな人から愛を向けてもらえるなんて、自分は本当に恵まれている。






そして、出会いは、人だけではない。



FOという奇妙で素晴らしく面白いポジションに出会うことができた。



皆みたいに広いコート全体に意識を向ける力はなかったけど、ボールのほんの一点に全集中力を注ぐための試行錯誤は、自分にとってこの上ない天職だった。






こんな素晴らしい出会いに支えられながら、ここまで這いつくばってこれた。








4年生、ラストイヤー。



B早慶戦のサドンビクトリーで、自分に自信がなくて後輩にフェイスを譲った。



結果、奪われたポゼッションから点を決められ、試合には敗北。うなだれる仲間を見て、悔しくて、自分が情けなくて試合後に初めて泣いた。



最後の年の重みを知った。



そして、こんな思いは2度としないと誓った。






沢山の出会いが自分をどん底から笑顔にしてくれたように、自分もチームに笑顔をもたらす人間でありたい。



FOとして、その最も近道となるのは、ポゼッションをとってオフェンスに繋ぎ、勝利に貢献すること。



そのためには、まだまだ力が足りない。



もっと強くならなければいけないが、残された時間は少ない。



でも、今が一番楽しい。



毎試合、毎練習、毎勝負で脳がヒリヒリする。



3年を超えるラクロス部生活の中で、ようやく、遅すぎるけど、皆んなからはたかがそんなもんかって言われると思うけど、このスポーツに夢中になれているのだと思う。












ここからは、いつも自分を助けてくれる皆さんに感謝を述べたい。




愛すべき同期へ。

特にBは4年多いけど、毎日沢山の刺激をもらってます。


実は俺のことが好きで、そして、何より4年間で一番助けられた雄大。

壁あて何回も断ってごめん。ラクロスにひたむきで、ラクロス大好きな男がそばにいたから腐らず頑張れてます。最後まで怪我なしでいきましょう。


寺尾に厳しい、けんぞう、りょうだい。

けんぞう「どういうモチベでラクロスやってるの?」

りょうだい「寺尾の逃げは全部お見通しだから」

2人がはっきりと、それはダサいぞ、それは間違ってるぞと言ってくれるの、苦しみながらも毎度感謝してます。


ラクロスに熱いけど雄大は怖いエセ外国人リッチー。


とんでもない重量のスクワットが産んだ美ケツのあつし。


イケメン肩幅ボクサーのてった。


ボケてる時と怒ってる時の境目が分からないざきそ。


実は真夏でもTシャツ二枚重ねで着てるたいき。


体重60キロ代のった!って言ってるけど多分すぐリバウンドするげんた。


俺のことは間違いなく下に見てて、たまに優しいふりをするこうしょう。


ロングもできちゃう学生コーチはっとり。


デカオモロ男なおや。



他にもとんでもなく高い熱量で早稲田ラクロスを引っ張る他チームの自慢の同期たち。




みんなの笑顔に救われて、その顔を見たくて、ここまで部活頑張ってこられました。いつもありがとう。

最後、全員で笑ってシーズンを終えよう。





スタッフ陣へ。


MG、TR、AS総出でフェイスの面倒見てくれてありがとう。

汗だくの手で動画見せて、とか言っても嫌な顔ひとつせず見せてくれて、無茶な要求に応えながら笛を吹いてくれていつも助かってます。

じゅんぺいはたまに酷いこというけど、これからもフェイスに優しくお願いします。





コーチの方々へ。


いつも、お忙しい中、練習に来てくださりありがとうございます。社会人を控える学年になり、休みの日の朝7時にグラウンドに来てくださることがどれだけありがたいことかを実感しました。

丸田さん、フェイスのことまで気にかけてくださりありがとうございます。自慢のオフェンスに繋げられるよう、ウイング含め強くなります。





母へ。


お金のかかる部活という選択をさせてくれて、いつもおにぎり作ってくれて、訳分からない時間にアラームなる生活を許してくれてありがとう。

あなたの好きなようにやりなさい、ってどんな時も言ってくれたから、こんなにも楽しい日々を過ごすことができました。

また試合見にきてね。





遅くなりました。専任の皆さんへ。


まず、せご、鳥海、いつき。


全員フェイスがとんでもなく好きで、どこかぶっ飛んでる。そして強い。

そんなみんなとフェイスしてる時間がめちゃくちゃ好きです。

1秒でも長く一緒にフェイスしたい。

みんなを脅かせるように、下から突き上げ続けます。


いつきは、部活に誘った俺にいつまでも感謝してください。あと、いつかのアフターでフェイスしてた時、「寺尾も意外とフェイス好きだからなぁ」って言ってたのずっと2人でフェイスしてきた仲として、少し認められたようで嬉しかったです。




そして、ちんた、じゅんぺい。


ちんたは去年からずっと一緒にいるけど、段々自信もついて、最近は「点取りたいっす」とかも言えるぐらいになって心強いし、じゅんぺいはいつも香ばしく1人大きな波を泳ぎ続けてるし、2人とも仲間として、ライバルとしてこの上なく頼もしい。


3人で全部勝とう。そして、来年はそれぞれが世代最強を目指して。










明日は、立教戦。












いつも通り、毎試合が負けられない正念場。








Bチームはいつも笑顔のやつが多いなと最近思う。(ちんたはたまにやばい顔してるけど)









ショット打ちたくてウズウズしてるやつ、テクいグラボ狙ってるやつ、フェイス好きすぎるやつ。






みんなが心の底からラクロスを楽しんでいるような。






ならば、全員が全力出し切って圧倒しよう。






各々が自分のやるべきことを徹底しよう。






楽しいこの時間をできるだけ長く、みんなとのラクロスをできるだけ長く続けるために。






心の底からいい顔で、冬の空に勝利の紺碧を轟かせるまで。













笑顔の写真こそ振り返る軌に相応しいから。

















FO #31 寺尾拓人

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