「ありがとう」
この部に入り、何度言ってもらえただろう。
この道を選んでからたくさん。
数え切れないほどの感謝の言葉をもらった。
テーピングを巻いた時、
ボトルを渡した時、
アップやラントレの後、
会計を頑張った時、
部室を掃除した時、
何気ない時、
ふとした瞬間。
決して見返りを求めているわけではなかった。
自分の憧れたTRになりたくて、部のためにどうにかして力になりたくて、自分にできることを続けてきただけだった。
それでも、「ありがとう」と言ってもらえる回数が、誰かの力になれた証であり、もう一歩頑張ってみようと踏み出せる私自身の活力であった。
毎日の「ありがとう」は、私の心の支えだった。
「TR」
一年生の初めに文也に誘われていった体験で、初めて出会った。
先輩は声を張り上げてアップを仕切ったり、瞬時にテーピングを巻いたり。
可愛らしい容姿とは裏腹に、そこには強さとかっこよさがあって、
漠然とした憧れを抱いた。
TRがなかったらこの部活は選んでいない。
一年生の頃は、今思うとほんとに仕事もろくにできなくて、もはや何もしていなかった。
ボトルに水を入れる、ドライバーを貸す、みたいな誰にでもできる仕事しかしてなくて、
でも当時、自分ではやった気になっていた気がする。
そんなことで満足できるのも束の間、慣れてくると同時に自分の無力さを痛感した。
頼まれたテーピングが巻けない。
アップで大きい声が出せない。
選手に質問されてもわからない。
「やばい、どうしよう。」
何度焦ったことだろう。
知識と技術のどちらもが圧倒的に足りなくて、自分の目指したTRには程遠かった。
結局いつも先輩を頼って助けてもらってばかりだったと思う。
でも、とにかくこの状況から早く脱出したくて必死で勉強したし、いろんな人にたくさん質問して吸収した。
一番学びが大きかったのは、グラウンドで過ごした時間。
先輩のそばで、実際に動きながらたくさんのことを習得した。
怪我の初期対応、アップの仕方、リハメニューの組み方、テーピングの手際。
ボトルケア一つ取っても、そこには細かな工夫があった。
「選手としっかりコミュニケーションを取ること」は、今後の信頼関係につながる、とも教わった。
この基礎の積み重ねが今の私にも生きている、と信じたい。
未だ自信はないけれど、そう信じたい。
TRの基礎的な動きが身についてくると視野が広がり、しっかりと考える余裕が生まれた。
「どうしたら選手のためになるか」
スタッフとして、最も身近にありながら、最も深く考え抜くべき問い。
仕事の幅が広がるほど
「自分が選手だったらどう感じるか、何をしたいか」
を常に想像しながら動くようになった。
こっちの方が選手は嬉しいかな?
こうすれば、もっと効率的かもしれない。
色々な思考を巡らせた。(そうは見えないかもしれないけど笑)
アップのメニューは組み合わせを工夫していろんな動きを取り入れるようにしたし、暑い日にはとにかく忍耐強くボトルに氷を入れまくったし、リハメニューは頑張ってワクワクしそうなものを探した。(最後は元太さんの教え)
特に力を入れたのはテーピング。
素早く正確に、そして美しく。
選手に感想を聞いて、巻いてはほどき、また巻いて、を繰り返す。
プレーに直接影響すると思ったから、特にこだわった。
「どうしたら選手のためになるか」
この問いは、シンプルでいて果てしなく難しい。
四年目を迎えた今こそ、本当にそう思う。
でもだからこそ
「ありがとう」は貴重だ。
考えて動いたからこそ嬉しい。
誰かの役に立てた証拠であり、自分の頑張りの成果でもある。
自分が工夫していたことに気づいてくれた時、褒めてくれた時、頼ってくれた時。
その時になって初めて、TRとして、一スタッフとしての存在意義を見出せると私は思う。
人のために率先して働く。
自分のやると決めたことは貫く。
この、無駄に責任感の強い性格も、案外スタッフには向いていたのかもしれない。
四年生になった今、
とにかく勝ちたい
という気持ちでいっぱいである。
これまでみんなで頑張ってきたから、
日本一になりたい。
スタッフは選手の知らないところでみんなハードな業務をこなしているし、
選手も、私には想像できないくらい多分、ウェイトとか壁当てに励んで、もっともっとハードな生活を送っている。
だから、そのみんなの努力が報われるために
勝ちたい。
誰よりも頑張っている同期の幹部は、下級生からも信頼される存在であって欲しいし、(幹部への不信感とか言われてほしくない)
逆に同期に下級生の対応を蔑ろにされるのも嫌だった。
全チームを見ることができるTRの特権を利用して、とにかく良いチームが作れるよう意見を吸い上げたくて、みんなと会話もたくさんしてきた。
全ては、一体感を作るために、日本一を勝ち獲るためにやってきたことだ。
みんな色々な想いで、この部活動に励んでいる。
だから、みんなの想いを乗せて
優勝したい。
「みんなの想いを肯定するには日本一になるしかない。」
このセリフは学年ミーティングでも、全体ミーティングでも散々聞いてきた。
私は点を決めることもできないし、ゴールを守ることもできない。
だから、「ありがとう」と言ってもらえるくらい
精一杯の思考を凝らして、今日も明日も仕事に励む。
半年後には、笑っていられるように
後悔のないように
慢心なく
強い芯をもって
勝利に挑む。
最後に心からの感謝を込めて。
嶋田監督、コーチの方々、OBOGの方々、先輩方、家族、いつも応援してくださる方々へ
たくさんの人に支えられ、この上なく充実した大学生活を送ることができました。
この場を借りて心より感謝申し上げます。ありがとうございました。
これからも一緒に頑張る後輩、同期、スタッフへ
まず一年生
新歓みたいだけど、入部を決めてくれてありがとう。強すぎてメーリス見てビビってます。(サマー楽しみ!)
一緒のボックスには入れないけれど、あと半年、野澤組に熱いエールをください。
二年生
あすなろでは感動をありがとう。みんなのフレッシュなパワーにめちゃくちゃ大きな勇気をもらいました。楽しかったー!!!
じゅり、りあ、もも、あやき。こんなおばさんを混ぜてくれてありがとう。
三年生
明るくて仲間想いの三年生、自分の代にはない華やかさがあって憧れたりもします。
明日の試合も、これからの毎日も、一番近くで支えてほしいです。
スタッフの後輩のみんな
よく気の利く子、心優しい子、元気な子、真面目な子、関われば関わるほどみんなの魅力に気づけました。引退の時まで一緒に楽しく仕事ができたら何より幸せです。
愛しのTRバッツの後輩たち
文句一つ言わずに慕ってくれるみんなのおかげで、ラストイヤーを最高に楽しめています。
周りの見えるシゴデキ明莉、いつも素直な聖奈、よく考えられる未莉、三個下なのに大人な由奈、元気でやる気満点の理乃。
この先も末長く、愛溢れる組織でありますように。
そして同期のみんな!
入ってから今までたくさんたくさんありがとう。(強たれ書いたことを隠し通したかったけどバレました泣)
同期みんなで、『成し遂げたいこと』を成し遂げよう。
今度こそ、『未来は僕たちの手の中』!
(凜さん、圭一さん、私たち勝ちます!)
最後に、りずむ、ももこ、あいこ、かの、過激な松崎(名前順)。
感謝感激。とにかく毎日ありがとう。確実にみんなのおかげでやってけます。九日間(なんでこんな長いん?)の合宿もギリ耐えられます。
とやかく言ってられない。やるしかない。を誠意を持って体現しよう!
獨協戦。
サマーの時はいっちばんヒヤヒヤした相手。
明日は余裕で圧勝しよう。
たかが一戦、されど一戦。
その一戦に想いを込めて
心を強く
いざ!!
VECTOR
#TR 嘉村麻生