関東ファイナル4。
今まで見てきた先輩が越えられなかった壁。
明日の試合はレッドバッツに所属するみんなの何かを変えるかもしれない。
そんな予感がする。
なぜそう思うか。
それは明日の大一番こそ、野澤組の「想い」が形になる場所だと思うからだ。
これまでの同期の巧より強たれを読んで、悔しかった「想い」そして、ラストイヤーにかける「想い」を改めて知った。
(特に「仲間」は彼の色が出ていて、個人的に好きです)
長く辛かったシーズン前のミーティングとは比べ物にならないほど、同期みんなのVECTORは大きくなっていると素直に感じた。
自分だって同じ。
二年前、夜の東伏見サッカー場で山﨑組が散った瞬間。
感じたのは何もできなかった無力感。
どのプレーも、ファイナル4にたどり着くレベルには到底達していなかった。
一年前、同じファイナル4の舞台で田中組が散った瞬間。
泣き崩れるボックスメンバーや田中組をスタンドで見守ることしかできなかった。
先輩にかけてもらった期待を裏切った自分に失望した。
それだけではない。
同期や後輩たちが各チームで躍動する姿を見て、この一年間で自分が最も成長していないと気付かされた。
迎えたラストイヤー。
思えばスポーツを始めた時から、悔しい想いばかり味わい続けた。
多くの観客の前で情けないプレーをすることもあった。
今まで本当に重要な試合で一回も勝つことができていないと自覚していた。
ついには試合にすら出られなくなった。
ずっと早稲田を背負ってきた矜持は、脆くも崩れ去った。
「スポーツは向いていない」心のどこかで思っていた負の想いに支配されそうになっていた。
それに対する自分なりのたった一つの解決策
「考えること」
「想いをどうプレーに繋げるのか、考え続けること」
選手としての強みがない自分にとって、答えを出すことは難しくなかった。
「チームの苦しい局面を救う場所、手が届きづらい場所」にこだわること。
例えば力を入れ始めたFFOF、求められ続けたグラボ、クリア、打ち際のチェック
何度失敗しても、止まることなく訪れる次の「今」にどう成功するかだけを貪欲に考え続けた。
ただの凡事。
華やかでもなければ、そんなに難しいものでもないのかもしれない。
それでもモヤモヤして消化できなかった「想い」がエンジンとなった。
そして「考える」ことがハンドルとなって、ようやく選手としての形が見えた気がした。
話は最初に遡る。
明日の試合は負けたら終わり。
そんな試合に臨むにあたって二つだけ。
一つは、引退がかかった局面、本当に苦しい場面、多くの人は想いに傾きすぎてしまうということ。
祈ったから良い結果が得られる、苦しい想いをしたから必ず成功するなんて甘い話はスポーツでは起こらない。
重ねた負の感情は、不安を煽り、自分を揺るがすかもしれない。
それでもいかに状況を精査し、相手を見て、自分を信じ考えられるか。
「今、ここ、自分」を体現し続けよう。
助けてくれる「仲間」に「自分」を還元しよう。
スカや状況判断の基準などの準備は突き詰めてきた。練習だってみんなで考え、実践してきた。あとは明日やるだけ。今の俺たちなら必ずできるはず。
そしてボックス外のメンバーへ。
ボックスに入れず悔しい「想い」をしている人、未来の早稲田で日本一を成し遂げる強い「想い」がある人、なんのためにこのラクロス部に所属しているのか「想い」が見当たらない人いろんな人がいると思います。
必ずボックスメンバーの一挙手一投足を目に焼き付けてください。そこから滲み出る「想い」はきっとみんなの背中を押す活力になります。
そしてラクロス界で最も洗練された応援はいつも届いています。
明日もどうぞよろしくお願いします。
最後にお世話になっている皆様に感謝を述べて、終わりにします。
嶋田監督、コーチの方々、OBOGの方々
お忙しい中、この早稲田ラクロスのためにご指導やご支援をしていただき、本当に感謝しています。
中でも半場さんはラクロス面から、早慶戦実行委員長を務めた際まで、幅広く助けていただきました。明日はその感謝の想いをグラウンドで必ず示します。
後輩たちへ
本当に明るくて、頼もしい後輩たちでとても信頼してます。明日も、来年以降も期待してます。
DMFの皆様へ
今日みんな欲しそうだったので書きます。
まさしく「ホンモノ」でライバルの寺田
平場弱いはるみち
DMF会無欠のわらし
姉弟揃っていじめてくる成瀬
入部の決め手・岡山の太陽かぺ石
一番嫌なタイプの一軍若杉
中島。
成長するみんなが本当に頼もしかった。
明日も俺らが誰よりも走り続けよう。
同期へ
自分が何言っても大抵許してくれる大きな器と、努力する姿勢がぶれないみんなには本当に感服しています。
ライバルでもあり「仲間」でもあるみんなが活躍する姿を、明日もその先も心待ちにしています。やっぱり格別に嬉しいです。
大好きな野澤組全員が笑って引退したいです。それに引退してからも仲良くしてほしいなと心の底から思っています。
いよいよファイナル4がやってくる。
もしかしたら今までの人生で最も厳しい勝負になるかもしれない。
普段感情を出さない自分があえて言おう。
勝ちたい。
でも甘くない。
苦しかった過去も、みんなの想いも背負って「今」に挑み続けよう。
何ができるのか、何をすべきなのか、ひたすら貪欲に考え続けよう。
その先にきっと俺たちが望むものがある。
大丈夫。俺たちなら必ずできる。
やろう。
VECTOR
DMF #21辻村征也